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文楽「女殺油地獄」「鳴響安宅新関」

第一八七回文楽公演第二部「女殺油地獄」「鳴響安宅新関」 2014年5月

キング住大夫さん引退という歴史的5月公演の、まず第二部に足を運んだ。ロビーにはずらりと蘭の鉢が並び、プログラムはミニ写真集付きだ。エッセイは田牧大和さん。国立劇場小劇場の前のほう下手端で6500円。2回の休憩を挟んで約4時間。

有名演目を揃えた二部は「女殺油地獄」から。文楽で観るのは2度目だ。藤棚が美しい野崎参りの徳庵堤の段は松香、三輪以下大夫8人で賑やかに。般若心経で始まり、与兵衛が暴れちゃう河内屋内の段は芳穂大夫、寛太郎。奥では前回と同じ、呂勢大夫を清治さんが盛り立てる組み合わせだ。
人形は与兵衛に極め付け勘十郎さん、悲劇のお吉は和生、伯父の森右衛門は幸助さん、父の徳兵衛に玉也、泣かせる母・お沢に勘壽。
短い休憩を挟んで豊島屋油店の段。軒菖蒲をした豊島屋で、ダメ息子を思う親心の悲しさから、凄惨な事件シーンに至る1時間を、切場語りの咲大夫、燕三コンビがたっぷりと。1952年の復活上演の際、作曲したのが咲さんの父・8世綱大夫なんですねぇ。熱がこもります。席が近くて人形の細かい仕草からダイナミックな滑りぶりまで、よく見えて面白い。

30分の休憩後、「鳴響安宅新関(なりひびくあたかのしんせき)」から勧進帳の段。歌舞伎では「またかの関」とまで言われ、何回か観て、最近、型の違いを解説してもらったけど、文楽で観るのは初めてだ。歌舞伎から移したということで、筋運びはだいたい同じ。でも前半の背景は能舞台の松、関所を通ってからは海辺の松林に転じて、おおらかだ。大詰めで義経が、わざわざ笠をとって富樫に礼を尽くすあたり、歌舞伎と違っていて興味深い。
弁慶は玉女がスケール大きく。左の玉佳、足の玉勢も紋付袴、出遣いでつくづく特別な役なんですねえ。終始激しく動き、金剛杖や数珠をつかんだり、3人とも汗だくで大変! ラストの飛び六方は花道がないので、くるくる回ってダンスっぽかった。富樫は初役の清十郎、義経は連投で勘弥。大夫陣は次代を担う英、千歳、咲甫ら7人、三味線は清介以下8挺がずらり並んで迫力がありました。

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