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覇王別姫

京劇「覇王別姫(はおうべっき) 漢楚の戦い」  2014年5月

初めての京劇を天津京劇院で。女形スター、梅蘭芳(メイ・ランファン)の生誕120周年事業として、彼の代表作を上演したそうです。衣装は極彩色ながら、演劇パートやセットはいたってシンプルで、全体に素朴な芸能という印象。中国文化関係者らしい年配のかたが目立つ東京芸術劇場 プレイハウス、中ほどやや上手寄りの席で8500円。休憩を挟み2時間。

時は紀元前202年。「史記」の世界ですね。楚の闘将・項羽(黄斉峰)は、突風で旗が折れるなど不吉な予感にとらわれつつも、宿敵・漢の劉邦との戦いに出陣。知将・韓信の罠にかかって、垓下の砦に追いつめられてしまう。「垓下歌」の嘆き、周囲から楚の歌が聞こえる四面楚歌といった著名シーンが続く。足手まといになるのを嫌った愛妾・虞姫(王長君)は双剣の舞を披露した後、自害。項羽は包囲を突破して烏江の渡し場に至るものの、さらなる敗走を潔しとせず、自ら命を絶つ。享年31歳。

武将たちは凝った隈取・瞼譜(リエンプー)をして、背に軍隊を表す旗を差しており、特に項羽は化粧まわしのような重厚な衣装で、掌に力を入れて感情を発露。このあたりは完全に歌舞伎の荒事だなあ。滅びの結末なので、絶対善の荒事ヒーローとは違うけど。
馬は手持ちの馬鞭(マービエン)で表すとか、虞姫が電車ごっこみたいなスタイルで戦場を駆けるとか、省略の約束事に工夫がある。毛玉いっぱいの髪飾りや、マスクみたいな仕掛けでしゃべりやすい長い髭が不思議。戦闘シーンで打楽器がジャンジャン鳴り続けたり、馬丁らが床運動のように跳ねたりするのは京劇のイメージ通りだった。虞姫の歌も、高音とコブシが独特。

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