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落語会「浮世床 夢」「時そば」「花見の仇討」「新聞記事」「宗悦殺し」

IMAホール落語会 喬太郎・一之輔二人会  2014年3月

駅ビルにある古めの光が丘IMAホールで、贅沢な組み合わせの落語会。若い人が目立つかな。右寄り後ろの方で2500円。中入りを挟み約2時間。

まず喬太郎の弟弟子で、二つ目の柳家喬の字が元気よく「浮世床 夢」。床屋で繰り広げられる滑稽噺のオムニバスのなかから、「夢の逢瀬」のくだりだ。建具屋の半二が歌舞伎座で出会った女と茶屋へ行って、と色っぽいエピソードを語るけど、すべて夢でした、というオチ。明るいです。
続いてお待ちかね柳家喬太郎さんが登場。いつもの力が抜けるような長いマクラで、ホール到着がぎりぎりになった言い訳、地元のスーパーで食品、特に惣菜をみるのが好き、立ち食いそばチェーンのコロッケそばのミスマッチぶりが凄い、などとさんざん爆笑させ、「この後古典やろうってんだから」「ちゃんとしたのは一之輔がやるからね」などと語っておいて、なんと「時そば」。テンポが良くて江戸っ子らしい造形だ。巧いなあ。
次は春風亭一之輔さん。学校寄席で気さくな恩師に会った話、日本で花見と言えば桜だけどオランダならチューリップか、メキシコならサボテンか、といったとぼけたマクラから、季節を先取りした「花見の仇討」。仲良し4人組が上野に集まる花見客の前で、仇討を真似たいわば「どっきり」を演じ、座興だと明かして喝采を浴びようと企む。頼りない稽古、肝心のとめ役の男がおじさんと出くわして酔いつぶされてしまい、さらに「本職」の侍が乱入してきて、とドタバタが楽しい。相変わらず声が良くて、色気がある人だなあ。

10分の中入り後は引き続き一之輔さん。皆さんのお目当てはこれから出てきますから、などと言いつつ「新聞記事」。あまり聞かない気がする噺。明治終わりごろの作だそうです。熊がご隠居から「新聞くらい読め、そういえば天ぷら屋に強盗が入って主人が殺されただろ」と言われて真剣に聞いていると、「でも犯人はすぐ挙がった、天ぷらだけに」という落とし噺。悔しくて友人の天ぷら屋に聞かせようとするが、うまく話せなくて…という王道のおうむネタだ。「体をかわす」という言葉が出てこなくて、「ほら渋谷の隣で、恵比寿で、そうそう鯛」と延々連想ゲームを繰り広げたり、なかなか洒落てます。こういうシンプルな噺でも、飄々と沸かせますね。
ラストは再び喬太郎さんだ。マクラは短めで、古典のご存知圓朝作「真景累ケ淵より『宗悦殺し』」。ある年の暮れ、小日向服部坂に住む身勝手な旗本が、取り立てに来た金貸しのあんまと言い合ううちに斬ってしまい、その祟りでやがて混乱のうちに妻を斬る悲劇を招くという、長い因縁話の発端だ。前半の爆笑に次ぐ爆笑とはうってかわって、低い声でじっくりと聴かせて、怖い。怖いといえば「死神」の時も思ったけど、またまた巧いなあ。この人の古典をもっと聴きたいです!

 

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