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フローズン・ビーチ

トライアングルCプロジェクト「フローズン・ビーチ」東京公演  2014年3月

ケラリーノ・サンドラヴィッチの1998年初演の代表作を観にいってみた。思えば「失われた10年」と言い出したころに、岸田國士戯曲賞を受けたブラックコメディを、1983年生まれの高羽彩が演出、豪華女優陣で。CBGKシブゲキの下手寄りで6500円。なぜか年配男性が多い。休憩無しの2時間半。

舞台は海外の孤島にある、別荘のリビングのワンセット。リゾート王の父を持つ双子の姉妹(渡辺真起子の2役)と継母(山口美也子)、女友達ふたり(石田えり、松田美由紀)が、ナンセンスな笑い、やけっぱちみたいな確執を繰り広げる。バブル期の1987年、その8年後、さらに島ごと沈みゆく16年後という設定だ。
今観るとギャグの感覚とか、ベテラン女優陣のヒステリックさがちょっと辛かったかな。登場人物全員が何かしら常軌を逸しており、虚言や狂気、障害、暴力を小道具にしている。とはいえ決して切実ではなく、飄々とバカバカしいのがケラさんらしい。発表当時は、簡単に「ムカツいちゃう」時代の空気をよく表していたのだろう。謎の「カニバビロン」とか電話の向こうにいる少年とか、見えない存在が気になる。

不穏な空気を、セットが歪んで見える流行のプロジェクションマッピングで表現するのが面白かった。女優陣は長身の渡辺がやっぱり綺麗だなあ。皆さんキレキレで奮闘してたけど、全体に色気が薄いのが残念。最終幕で大人になって、ちょっと安心した。アフタートーク付き。
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