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オーヴォ

ダイハツ オーヴォ 東京公演  2014年2月

私にとって4回目のシルク・ドゥ・ソレイユは、虫たちの1日を描くおとぎ話。元五輪選手らの力と技を、シンプルに楽しむステージでした。何しろ装置に頼らないところが凄い。フジテレビ開局55周年記念と銘打っており、寒風にも関わらず、特設会場のお台場ビッグトップに家族連れやカップルらが大勢。開演前からグッズやポップコーンなどを買い込み、プリクラ風の記念撮影で盛り上がる。席は舞台正面の後ろのほうで1万3500円。30分の休憩を挟み2時間半。
以下ネタバレを含みます。

脚本・演出はシルク初の女性で、ブラジル出身のデボラ・コルカー。虫をデフォルメした衣装や振付が、お茶目で楽しい。新趣向の演目では、真っ赤な衣装の中国ガールたち=アンツが、ちょこまかとキウイなどを運ぶフットジャグリングが可愛いかった。仲間の蟻まで、足で飛ばしちゃう荒業です。
そして大詰めのウオールが見もの! 高さ8メートル、幅19メートルと、ツアーとしては最大のセットだそうで、イギリスやスイスなど欧州出身勢で構成するコオロギたちが、トランポリンを使って垂直に壁を駆け上がったり、ステージを前後左右にポンポン飛び回ったり、フォーメーションが緻密だなあ。それから全身ばねの不思議な生き物クリーチュラも、特に何をするわけでもないのだけれど、不気味で面白かった~
定番の演目のなかでは、ウクライナペアの白いバタフライによるロープダンスが優美。布を使った脱皮シーンもあって、幻想的です。フライングアクトはロシア勢中心のスカラベ(コガネムシみたいなもの)が、ブランコはほとんど使わず、地上数メートルをひたすら飛ぶ、飛ぶ。滞空時間が長い! 綱渡りは今回、スパイダー1匹のスラックワイヤーで、たるんだ紐を上下させつつ、でんぐり返しをしたり、逆立ちで一輪車を漕いだりする。シンプルなだけに一層スリリングです。

次々繰り出される超絶技の間に、クラウンが演じる、お楽しみのコメディパートも健在。不器用なハエのフォーリナー(広島出身26歳の谷口博教が活躍)がてんとう虫のレディーバグに恋をする、微笑ましいストーリーだ。年長者のマスター・フリッポが何かとちょっかいを出し、観客を巻き込んで恋のアピールをさせちゃう。言葉にならない謎の「虫語」を発しながら、ちゃんと状況を伝えるところはさすがだ。バンドは舞台後方、左右に控えていて、ブラジル風でした。
カーテンコールで1日限定10人が花束を渡して終了。楽しかった~ いつか本場のラスベガスに行きたいなあ!

2016a 2016b

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