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立川談春「唖の釣」「芝浜」

立川談春独演会2013デリバリー談春「唖の釣」「芝浜」  2013年12月

2013年エンタメの大トリは楽しみにしていた談春さんで、デリ春シリーズでは5回目。年末休み入りとあって、17時からたっぷり3時間! 落語会としては若い人、女性が多くて浮き浮きした雰囲気だ。複合施設のなかのZEROでキャパ1300人の立派な大ホール、前寄り中央で3800円。なき談志の名演でも知られる、人情話の大ネタ「芝浜」で、充実の年忘れでしたぁ。

前座無しにいきなり談春さんが登場。ちょっと痩せたかな? 会場の「芝浜」への期待を敏感に察し、「独演会なのにアウエー」と表現。空気をほぐすように、まずは「唖の釣」で、はじけた与太郎を披露しました。
せっかちな江戸っ子にとって、馬鹿番付の東大関が釣人だった、というフリから、七兵衛と与太郎が殺生禁断の上野の池で、こっそり釣をする。役人に見つかったけど、与太郎は教わった通り、親孝行を言い訳にうまく許してもらう。続いて見つかった七兵衛は慌てて舌がもつれ、身振り手振りで必死の言い訳。許してもらって思わず「ありがとう」。与太郎でなく、ずる賢い七兵衛のほうがオチなんですね。

そのまま11月に開いた中村勘三郎追悼の会について、面白おかしいトークに突入。「赤めだか」に感動した勘三郎と出会い、さだまさし、志の輔とゴルフをして、さだがしゃべりまくり朝まで飲んだ、次は鶴瓶を加え5人で回ろう、「日本でならできる」と言ったけどそのままになったこと。1周忌の会のプロデュースに乗り出し、ゆかりの地・松本を選び、わざと日帰りしにくいスケジュールにして、渋る志の輔に「中村仲蔵」を50分で、と頼んだこと。当日、談春さんは噺を15分くらいで切り上げて、飛び入りの鶴瓶の「青木先生」が素晴らしかったこと、串田和美とのトークのあと、さだまさしがたっぷり語り、「精霊流し」で涙し、休憩もそこそこ、相当のプレッシャーのなかで志の輔が結局、80分熱演したこと。いや~、熱い思いが伝わってきましたぁ。

と、ここまでで1時間強。15分の中入りのあと、マクラなしで「芝浜」。亭主の勝が夜明けの浜で財布を拾う描写はなく、女房が朝ごはんを用意しているところへいきなり勝が帰ってくるバージョンです。また42両で浮かれてどんちゃん騒ぎをするくだりもなく、すぐに女房が再び勝を起こすシーンになって、テンポがいい。3年後の大晦日に女房が告白し、雪の日に体調を崩した自分を気遣ってくれたとき、嘘をつきとうそうと決意した、というあたりで涙…。勝は魚屋として腕がよく、女房は店を切り盛りする才覚があって、互いに認めあっている。夫婦の情愛だけでなく、そういう人生を支えていく庶民の気概が噺の芯なんだ、と感じられて爽やかです。やっぱり巧い。
終わっていったん下げた幕をあげ、袖から呼び出したのが、なんと三三さん、晩年の談志に稽古をつけてもらったという桂三木男、志らくのお弟子2人。「芝浜でなんでこんなに笑うのか」と師匠のような愚痴を言ったり、鈴本演芸場初席で大トリに抜擢された三三さんにやたらプレッシャーをかけたりしてから、手締めとなりました。最後にアナウンスでテレビの宣伝まで。23区をめぐるデリ春は3月で一区切りとなり、来年は主に地方で30周年だそうで、楽しみです。後輩や聴衆に対してお説教が増えてきた気がするけど、そのへんは立川流らしいのかな…

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