« シダの群れ 第三弾 港の女歌手編 | トップページ | トリノ王立歌劇場「仮面舞踏会」 »

モモノパノラマ

マームとジプシー11月12月公演 モモノパノラマ 2013年11月

いま最も注目されるという1985年北海道生まれの新鋭・藤田貴大が作・演出。客席には蜷川幸雄さんの姿も。KAAT神奈川芸術劇場の大スタジオで、四角いスペースを客席が取り囲む、親密な雰囲気だ。自由席で3000円。休憩無しの1時間半。

愛猫の死や、幼いころ衝撃を受けた事件をモチーフに、日常のすぐそばにある死の意味を考える。登場するのは田舎町に暮らす姉(はきはきした成田亜佑美)、妹(しなやかな吉田聡子、モモ役も)、友人たち(作者らしき演劇青年の尾野島慎太朗ら)で、大人はいない。思春期独特の傷つきやすさ、未熟さが全編を覆い、みずみずしく、愛おしく、そしてこそばゆい。
なにげない友との会話、もらい手のない仔猫を川に流してしまったことや友人の自殺といった短いシーンを、角度をかえて何度も繰り返す。記憶の断片を反芻して、あれはいったいどういう意味だったのかと考え続けている。そんな作家の脳内を覗き見る印象だ。6月の岩井秀人「て」にも通じる感覚。特別な意味などまとわずに「ただ生きた」猫のモモが、よろよろ歩きながら最期を迎えるところで、すすり泣く観客も。可愛いなあ。

何もない空間に並んだシンプルな白木の枠を、俳優たちが自在に組み立て、家や車にみたてていく幾何学的趣向が面白い。さらに俳優は朗読みたいにセリフを口にしながら、終始動いている。木枠をくぐり、梯子を登り、女優が男優に支えられて飛翔し、皆で縄跳びする。新体操をみているように緻密な構成できびきびしていて、目が離せない。特に女優陣が個性的です。
かといってスタイリッシュ過ぎることはなく、姉妹が喧嘩してじゃれ合うあたりに、エロティックが漂うのも巧い。セリフの聴き取りにくいところがあったのが、少し残念だったけど。出演はほかに伊東茄那、荻原綾、川崎ゆり子、召田実子、石井亮介、中島宏隆、波佐谷聡。
冊子のプログラムはなくて、チラシになぜかポプリがついてました。終演後、ロビーで蜷川さんと話す藤田くん、若くてイケメンだなあ~

« シダの群れ 第三弾 港の女歌手編 | トップページ | トリノ王立歌劇場「仮面舞踏会」 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: モモノパノラマ:

« シダの群れ 第三弾 港の女歌手編 | トップページ | トリノ王立歌劇場「仮面舞踏会」 »