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トリノ王立歌劇場「仮面舞踏会」

トリノ王立歌劇場「仮面舞踏会」  2013年12月

ヴェルディイヤーのラストを飾る、イタリアからの名門引っ越し公演1作目。ロビーのノベルティ売り場でチョコを購入。衣装の展示もあって楽しい。東京文化会館大ホール、1F中央のいい席で4万1000円。30分の休憩1回を含め3時間。

音楽監督ジャナンドレア・ノセダの指揮は流麗。ご本人は元気いっぱいで動きも激しい。1幕は初日とあって歌とオケのバランスや、テーブルに乗ったり、傾いた床を歩いたりという段取りがややもたついたけれど、休憩を挟んで3幕からは全体に調子があがり、美しく劇的な旋律を楽しめた。
1月のMETライブビューイングで観たこの演目は、原作通りスウェーデン王グスタフ3世を主役にしていたが、今回は実在の事件に配慮した初演時の設定で、イギリス植民地時代のボストンが舞台。総督リッカルド(ラモン・ヴァルガス、テノール)、秘書レナート(ガブリエーレ・ヴィヴィアーニ、バリトン)、その妻アメーリア(オクサナ・ディカ、ソプラノ)の三角関係が招く、総督暗殺の悲劇だ。
ヴァルガスはでだしで声の迫力が今ひとつかと思ったけど、安定しており、3幕の「永遠に君を失えば」あたり、さすがに聴かせた。イケメンのヴィヴィアーニに艶があり、「お前こそ、わが魂を汚すもの」で怒りの旋律をたっぷりと。忠実で頼れる左腕として登場し、不倫を確信してからは巨大ベッドで妻をなじり、グラスを投げて荒れまくる。この振り幅の大きさは、得な役だなあ。ウクライナ出身の新星ディカはちょっと東洋風の美形でかなりの大柄、声もなかなかパワフル。占い女ウルリカが新国立劇場で何度か観ているマリアンネ・コルティ(メゾ)で、1幕2場しか登場しないし、動きが激しくて大変そうだけど、抜群の貫録で存在感があった。軽快な歌が多い小姓オスカル役で、オーディションで選ばれたという小柄な市原愛(ソプラノ)が健闘。

ロレンツォ・マリアーニの演出は、冒頭の銃を構えた敵対貴族たちの登場から、陰影が濃く不穏な空気を漂わせて文学的。装置はシンプルだが、モノトーンと銀を基調に、アール・デコ調の衣装、ティアラや真珠を散りばめてスタイリッシュだ。テーマの赤の差し色が効果的。大詰めの舞踏会シーンでは一転、天井からテープと紙吹雪が舞い、壮麗な赤が舞台を埋め尽くす。鮮やかだなあ。全体に拍手が早いのがちょっと気になったけど、盛り上がった舞台でした。

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