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METライブビューイング「ファルスタッフ」

METライブビューイング歌舞伎座新開場記念プレミア上映「ファルスタッフ」 2013年12月

2013-2014第4作、ヴェルディ晩年の大人の喜劇を、年末気分の歌舞伎座でのプレミア上映で。いつもの横長の舞台にスクリーンを設置、シチュエーションの独特の華やかさを満喫する。2階席の左端だったけど、スクリーン、音響ともそれほど問題はない。1・2幕と3幕の間に休憩を挟んで約3時間。冒頭、ピーター・ゲルブ総裁が歌舞伎座の観客向けに、日本語をまじえて特別に挨拶する映像があり、さすがサービスが行き届いてます。

上演日は12月14日。帝王ジェイムズ・レヴァインが、2シーズンぶりにピット復帰ということで、カーテンコールまで車椅子に座ったままながら、溌剌と指揮。客席は冒頭からすごい盛り上がりだ。プロダクションは私にとって2013年のハイライトだったスカラ座、そしてロイヤルオペラとの共同制作で、1950年代という設定のロバート・カーセン演出がポップ。METとしては半世紀ぶりの新制作だそうです。

タイトロールもスカラ座と同じ、この役を200回も歌っているという巨漢アンブロージョ・マエストリ(バス)。表情豊かで、とにかく食べまくる。聴衆のノリがよく、マエストリの巨大さや鹿の角をつけた登場シーンでの笑いが多くて、スカラ座のときよりさらに愉快だ。お楽しみの幕間インタビューでは、英語を理解しながらもイタリア語で通し、ファルスタッフ同様食べること、酒と女性が大好きとコメント。得意だというリゾットまでふるまって、イタリア歌手らしいなあ。
一方、METならではの米国勢で固めた女声陣も、マエストリに負けないパワフルさで、陽気。ファルスタッフをとっちめ、喜劇のキーとなるクイックリー夫人は余裕のステファニー・プライズ(メゾ)、アリーチェは期待の若手アンジェラ・ミード(ソプラノ)。娘ナンネッタと女房トリオのひとりメグ・ペイジは、ともにMETリンデマン養成プログラム出身で、おきゃんなリゼット・オロペーサ(ソプラノ)と、ちょっと控えめなジェニファー・ジョンソン・キャーノ(メゾ)。
ナンネッタの恋人フェントン役、パオロ・ファナーレ(テノール)が3幕のアリアをきめ、アリーチェの夫フォードのフランコ・ヴァッサッロ(バリトン)も達者だ。ラスト「人生みな冗談」のフーガまで、朗らかでいいテンポだ。

特典映像ではゲルブによるレヴァイン、カーセンの贅沢なインタビューがあり、「人間賛歌」や即興のように聴こえるメロディへの思い入れを熱く語る。小道具チーフ、生真面目そうなブルーメンフェルドさんがキッチンのシーンを解説するのも興味深い。ぶちまけられる小道具は数百もあり、ちゃんと焼き目がついてオーブンから出てくる七面鳥は本物、一方で古びた食品パッケージはロイヤルによる作り物だそうです。客席には加藤浩子さんがいらしてました~

 

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