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「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」

歌舞伎座新開場柿葺落「吉例顔見世大歌舞伎」夜の部 2013年11月

新開場イヤーの大詰めは、もう新年気分の顔見世で、なぜか2カ月連続「忠臣蔵」の通し上演だ。地下の木挽町広場はちなんだ菓子など義士特集で賑やかだし、客席は団体も含めて、なかなかの盛況だ。俳優陣はついに仁左衛門さんまで病気休演という事態。初の全段通しで由良之助を演じる吉右衛門さん、そして菊五郎さんのベテラン2人が昼夜で舞台を支える。かなり苛酷だと思うけど、存在感はさすがです。前から3列目、花道を間近で見る席で1万8000円。約4時間半。

筋書と、浮世絵をあしらった「歌舞伎絵暦」をゲットし、まず5段目・山崎街道鉄砲渡しの場から二つ玉の場。猪が走ってくるときのテンテレツクなどの効果音、暗闇での無言の演技に緊迫感がある。斧定九郎の松緑は、割とあっさりしてたかな。
舞台が回って6段目、こってりと与市兵衛内勘平腹切の場。メーンの配役は2009年のさよなら公演で観たのと同じ、菊五郎の勘平、時蔵のおかる、東蔵の母おかや。浅黄の紋服が哀しい菊五郎さんが、袖で財布を確認して、驚きのあまり煙管を取り落としたり、切腹してから延々と名セリフをしゃべったりして、大活躍する。「金」という言葉が47回出てくるという、人間くさい、庶民的な場だから音羽屋がはまるのかな大向こうが活発で、盛んに「七代目」の声がかかっていた。

30分の休憩中に喫茶室「檜」で一服し、起伏のある7段目祇園一力茶屋の場。由良之助の吉右衛門さんが「蛸肴」など廓遊びの色気、「釣燈籠」あたりからの冷徹、ラストの怒りの長セリフで、柄の大きさをみせつける。平右衛門は仁左衛門の代役でベテラン梅玉さん。おかるとのコミカルなやりとり、実直さが意外に合っていた。さよなら公演の時の幸四郎も良かったけどね。六代目歌右衛門の養子で元福助だった梅玉とコンビを組む遊女おかるは、いよいよ2014年3月に歌右衛門襲名が決まった、おきゃんな福助さん。上手屋台に登場して由良之助とじゃらつき、途中は花道をどたばた、父と夫の死を知ってからは悲嘆のクドキと、大忙しだ。女形の大黒柱として貫録十分だけど、はかなさ、色気は今ひとつかな~。力弥は富十郎さん遺児の鷹之資くん。お座敷で志のぶさんら脇が活躍する「みたて」が、暢気で歌舞伎らしくていい。
10分の休憩を挟んで11段目は、勇壮な高家表門討ち入りの場からテンポよく。奥庭泉水の場では竹森喜多八の歌昇くんが平八郎の錦之助と、雪つぶてを投げ合ったりして立ち回りを演じる。溌剌として格好良いぞ! そして炭部屋本懐の場で幕。
体調万全ではないらしい吉右衛門さん、お疲れでした~ 赤川次郎さんがいらしてたかな。

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