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エゴ・サーチ

虚構の劇団第9回公演「エゴ・サーチ」 2013年10月

作・演出鴻上尚史。2010年の第5回公演の再演だ。初めての豊島区立舞台芸術交流センターあうるすぽっとで、若い女性グループが目立つ。なんと最前列のやや左寄りで4500円。休憩無しで約2時間。

この劇団を観るのは、2011年の第7回公演以来。若手中心とあってどこか学園祭ぽく、甘酸っぱい印象は変わらない。物語では作家の卵・一色(牧田哲也)が編集者(八木奈々花)の言葉から、ネット上で自分を名乗る謎のブログをみつける。いったい誰が何の目的で? 恋人の幽霊(小野川晶)とカメラマンを目指す広瀬(伊阪達也)との過去を軸に、広瀬に貢ぐ女(大杉さほり)、調子っぱずれのフォークデュオ(三上陽永、杉浦一輝)、彼らの売りだしを画策するベンチャー社長(渡辺芳博)と暗い過去をもつスタッフ(森田ひかり)らが交錯する。
なりすましやステルスマーケティングといったネットの話題を散りばめたほか、沖縄戦の記憶に言及(最近の人気映画のパロディも)。けれど核はあくまで切ない3角関係だ。シンプルで古典的なラブストーリーを安心して楽しめる。

オーディションで選んだという客演のイケメン2人がいい。特に牧田が頼りなさ、切なさを醸し出し、伊阪も女性をだます哀しい性がはまっていた。弾けまくる三上にリズムがあり、前回は天使役だった小沢道成が今度は沖縄の妖精キジムナー役で達者に物語を推進していた。終演後は鴻上さんほか全員、出口に立ってお見送り!

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