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落語「夫婦に乾杯」「三十石」

よってたかって秋らくご’13 21世紀スペシャル寄席0NEDAY  2013年10月

よみうりホールの左後方で4000円。ほぼ満席だ。残念ながら前座の柳亭市助、桃月庵白酒、柳家三三を逃し、仲入りから滑り込む。ちょっと笑いが多すぎる気がしたのは、遅刻して自分が乗り切れなかったせいかな。

後半は期待の柳家喬太郎で、定番・学校寄席の話題。お馴染み「死神」への身も蓋もない反応とか、これに似た話として、自宅で楽しくしゃべっていたら息子さんに「仕事でやれば?」と言われたとか、爆笑のマクラから「夫婦に乾杯」。カップ酒の新商品のネーミング会議で、妻不信の声が相次ぐなか、ひとり夫婦仲をみせつけちゃった若手社員が皆に非難され、よせばいいのに家に帰って奥さんと喧嘩してみる。居酒屋での会話みたいな、たわいなくて、やや後味の悪い内容だけど、冷め切った夫婦の会話が擬音になっていて「京都」とか、表現で十分笑わせる。
トリは柳家市馬さん。お伊勢参りのマクラをふって、京・寺田屋の浜から大坂へ向かう舟の情景を描いた「三十石」。船宿の客の適当な名乗り、女性客への妄想、そして「声が自慢の船頭さん」と続いて、会場から拍手が起きる。お囃子も入り、漕ぐ仕草をしながらの舟歌がゆったりと響いて、遠い昔の働く庶民の情景が目に浮かんできた。ささくれだった日常を離れ、大らかに朗らかに。これも落語の良さだよなあ。

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MIWA

NODA・MAP第18回公演「MIWA」 2013年10月

作・演出野田秀樹。東京芸術劇場プレイハウス、左寄りの席で9500円。ファンタジックな設定が面白い野田さんが、実在の人気者・美輪明宏78歳をモチーフに選んだ異色作とあって、老若男女幅広い演劇好きに、美輪ファンらしい女性も加わり、満席だ。休憩無しの2時間強。

MIWAも野田さんも長崎の出身。隠れキリシタンの歴史や、MIWAの圧倒的な被爆体験をベースに、昭和の香り、そして逞しい人間肯定のパワーを綴っていく。
劇中劇のスタイルをとり、シンプルな枠組みと椅子、大きな布などを使って、浦上天主堂や原爆投下前後の街、華やかな銀巴里を自在に表現。時間軸が前後する目まぐるしい展開や、「もう、そうしよう、妄想しよう」といった言葉遊びも健在だ。ただ決めどころでは美輪本人が歌う「愛の賛歌」「ヨイトマケの唄」が大音量で流れて、どうしても意識が現実に引っ張られる。前向きなメッセージが強い分、野田さんらしい意表を突くイメージの飛翔とか、ヒリヒリする切迫感とかはちょっと物足りないかな。

俳優陣ではタイトロールの宮沢りえが、期待通りに舞台を掌握。ほぼ出ずっぱり、細身を青い衣装に包み、前半の悩み多い学生服の少年から、後半はドレスが華麗な美青年へと見事に変身する。一貫して声がよく通り、存在の透明感が凄い。
周囲も豪華キャストで、いわば番頭格の古田新太はMIWAの内面に宿る両性具有のアンドロギュノス、転じて「安藤牛乳」を、美輪さん風の金髪、ピンクのドレスでギャグをまじえつつ、楽々と演じる。余裕です。
花街で弱者をかばい続けた継母マリアの井上真央が、なかなか達者。恋人で夭折した映画スター赤紘繋一郎は、瑛太が繊細に。野田秀樹は何故か「ドリアングレイ」や「ベニスに死す」を思わせる肖像画を背負ってたり、三島由紀夫をなぞったりして、相変わらずの相当な運動量だ。無節操な大衆を思わせる小出恵介と、父や銀巴里オーナー役の池田成志が舞台回しを引き受け、ボーイの浦井健治がはかなげ。小出クンは意外にいい脇役になってきたなあ。唐突にキューバに行くと宣言する青木さやかが、随所で笑いをとって奮闘。映画館シーンの声ではなんと天海祐希、柄本明、大竹しのぶ、橋爪功、美波が登場。いやー、贅沢でした~
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フィガロの結婚

フィガロの結婚  2013年10月

台風接近の雨のなか、新国立劇場オペラハウスへ。定番モーツァルトとあって客層は幅広く、ホワイエにはなんだか浮き浮きした雰囲気が漂う。1階中央あたりの良い席で1万8900円、休憩を挟んで3時間強。
実はこのアンドレアス・ホモキ演出は、個人的に思い出深い。というのも、2007年にオペラ観劇デビューを飾ったプロダクションなんですねえ。その後、プッチーニからドニゼッティ、ワーグナー、ヴェルディなどを体験し、ついにはライブビューイングに通っちゃうほどオペラにはまりました。最初にこの、普遍的で明朗なドタバタ劇を、お洒落な演出で観たおかげかも。勧めてくれた知人に感謝。
演出は現代風だけど、決して奇をてらってはいない。段ボール箱が転がるシンプルな装置と、モノトーンの衣装、繊細に移ろう照明。改めて観ると、物語が進むにつれ徐々に壁が崩れて、人々の目論見が崩壊していくさまが面白い。

序曲から、ドイツ出身の指揮ウルフ・シルマーと東フィルに少し過剰なくらい「ブラボー」の声がかかって盛り上がる。歌手陣は新国立初登場の若手が中心で、溌剌とした印象。筆頭は伯爵夫人のマンディ・フレドリヒ(ソプラノ)かな。「愛の神様」「あの喜びの日は」で、堂々と舞台を牽引していた。フィガロは当初のキャストが交代してマルコ・ヴィンコ(バス)。声が通り、長身、表情も豊かでいい。
伯爵のレヴェンテ・モリナール(バリトン)も声量十分で安定していたし、スザンナのチャーミングな九嶋香奈枝(ソプラノ)は、滑り出しの声がイマイチだと思ったけれど、徐々に乗ってきた。終始よく動いて歌いきり、カーテンコールでは自ら感激していた様子。ケルビーノのレナ・ベルキナ(メゾ)は、この役にしては女性らし過ぎたかな。マルチェッリーナの竹本節子(メゾ)、ドイツに本拠をおくバルトロの松位浩(バス)は巧くて喜劇がはまっていた。

軽やかなモーツァルト節が、全編心地よいのはもちろんだけど、今回は大詰めで、伯爵が臆面もなくいきなり赦しを乞うところの不似合いなほどの音楽の美しさが、特に胸に響いた。全体にはのんびりしたテンポの古典だし、さほどドラマチックな展開もない。けれど、いつの時代も人は愚かで、だからこそ愛おしい!と思える作品なんだなあ。
ところで今回は館内のあちこちに、1997年以来「来場者累計300万人感謝」の掲示があった。この機会に、一段の動員の工夫を期待しましょう!
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唐版滝の白糸

シアターコクーン・オンレパートリー2013 唐版滝の白糸 2013年10月

唐十郎作、蜷川幸雄演出コンビの1975年初演作で、4度目の再演だ。「下谷万年町物語」「盲導犬」に続いて足を運んでみて、蜷川さんの唐作品への並々ならない思い入れを感じる。Bunkamuraシアターコクーンの1F最後列右寄りで9500円。年配の演劇ファンから宝塚派らしい女性まで観客は幅広い。休憩無しの1時間半強。

新派劇にもなった泉鏡花「義血侠血」に想を得つつも、ストーリーは独自のもの。取り壊しを待つ安アパート(長屋)前のワンセットで、少年アリダ(窪田正孝)が、1年前に兄と心中をはかりながらひとり生き残った水芸人・お甲(大空祐飛)と待ち合わせる。そこへ少年を幼いころに誘拐したらしい銀メガネ(平幹二朗)や、兄と一旗揚げようとしていた羊水屋(鳥山昌克がパワフルに)という胡散臭い人物がからむ。
相変わらず、かけ言葉満載のセリフ劇だ。猥雑さは薄くて、むしろ淡々と感じられるほど。登場人物も少なく、冒頭などは少年と銀メガネふたりだけの言葉の応酬が延々と続く。地下水脈や血管に通じる「蛇口」とか、「自分の影を踏む」といった飛び交うイメージの断片が、豊かで切ない。

もちろん蜷川さんならではのメリハリはある。冒頭、雑踏の効果音のなかを、客席の通路から白いフードをかぶった少年が歩いてくるシーンの詩情。暗転からぱあっと照明があたって、古箪笥の上に真紅のドレスのお甲がすっくと立ち、なぜか三輪車が空を飛んでいくシーンの鮮やかさ。
そしてクライマックス、袴姿のお甲が派手な水芸を披露するところまでは題名から予想していたけど、大音響の「ワルキューレの騎行」と爆撃音にのってお甲が飛翔し、そのまま幕切れになっちゃったのにはいささか呆然とした。初演時、大映の撮影所を借り切って実現したという伝説のスペクタクル。すべては肉親を奪われて憎いはずのお甲から、未熟な少年が受け取ったタフな生命力、捨て身の優しさへの憧憬だったのかな、と思えてきた。ロマンチックだなあ。

映像でいつも独特の存在感を示す窪田、宝塚退団後の初舞台で蜷川さんにチャレンジした大空が、大量のセリフと激しい動きで健闘。でも席が遠かったせいか、あまり色気とか、吸引力とかを感じられなかったのが残念でした。それに比べると、終始謎めいた悪人の平さん80歳が、堂々たる声と姿に品格があって、ちょっと可愛げさえ漂わせていて、さすがでした!

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エゴ・サーチ

虚構の劇団第9回公演「エゴ・サーチ」 2013年10月

作・演出鴻上尚史。2010年の第5回公演の再演だ。初めての豊島区立舞台芸術交流センターあうるすぽっとで、若い女性グループが目立つ。なんと最前列のやや左寄りで4500円。休憩無しで約2時間。

この劇団を観るのは、2011年の第7回公演以来。若手中心とあってどこか学園祭ぽく、甘酸っぱい印象は変わらない。物語では作家の卵・一色(牧田哲也)が編集者(八木奈々花)の言葉から、ネット上で自分を名乗る謎のブログをみつける。いったい誰が何の目的で? 恋人の幽霊(小野川晶)とカメラマンを目指す広瀬(伊阪達也)との過去を軸に、広瀬に貢ぐ女(大杉さほり)、調子っぱずれのフォークデュオ(三上陽永、杉浦一輝)、彼らの売りだしを画策するベンチャー社長(渡辺芳博)と暗い過去をもつスタッフ(森田ひかり)らが交錯する。
なりすましやステルスマーケティングといったネットの話題を散りばめたほか、沖縄戦の記憶に言及(最近の人気映画のパロディも)。けれど核はあくまで切ない3角関係だ。シンプルで古典的なラブストーリーを安心して楽しめる。

オーディションで選んだという客演のイケメン2人がいい。特に牧田が頼りなさ、切なさを醸し出し、伊阪も女性をだます哀しい性がはまっていた。弾けまくる三上にリズムがあり、前回は天使役だった小沢道成が今度は沖縄の妖精キジムナー役で達者に物語を推進していた。終演後は鴻上さんほか全員、出口に立ってお見送り!

荒木又右衛門

歌舞伎へのいざない 講談「荒木又右衛門」  2013年10月

9月の文楽で「伊賀越道中双六」通しを鑑賞したのをきっかけに、11月歌舞伎公演にちなんだ鼎談と講談の会に行ってみた。けっこう満員です。国立劇場小劇場の前の方中央で、無料。

上村以和於さん、ペリー萩野さんと3人での鼎談の後、休憩を挟んで一龍斎貞水さんの講談へ。人間国宝で講談協会会長だけど、語りは軽妙だ。「講談師、見てきたような」といった脱線で笑わせつつ、メリハリはきちんと。荒木又右衛門の長い長い名乗りなどは、さすが聴かせます。
3大仇討ちの「伊賀越」で、荒木は義弟を助けて大活躍する剣豪だ。その生涯を描いた講談は、1日20分ほど語って1カ月はかかる長大なものだそうです。今回聴いたのは、江戸に向かう道中の剛毅なふるまいから、のちの岳父・渡辺剱負(ゆきえ)と出会うくだり。普段は大酒飲みで人遣いが荒くていい加減、コミカルなほどの荒木が、肝心なところでは柳生流の遣い手らしさを見せつけるところが痛快だ。
文楽、歌舞伎で名場面「沼津」を観てきたけれど、講談を聴いてちょっと得心。江戸の観客は皆、講談などでヒーロー荒木の本筋を熟知しているから、その陰に隠れ、巻き込まれてしまった人々の「沼津」「岡崎」という悲劇に涙したんだなあ。勉強になりました!

冒した者

葛河思潮社第三回公演「冒した者」 2013年10月

三好十郎作、長塚圭史演出の深い舞台を観る。吉祥寺シアターの中段右端で6300円。小さい劇場が、若者中心に満席です。休憩を挟んで3時間強。
長塚さんの葛河プロジェクトによる三好作品は、2011年の「浮標」以来2度目。砂場だった前回に引き続き、今回もセットはシンプルこのうえなく、モノトーンの暗い舞台にぽつぽつと椅子があるだけ。小道具もないので、食事シーンなどはマイムのようで不思議だ。その分、詰め込まれた言葉、問いかけに緊迫感が満ちて、ちっとも飽きない。時折斜めに差すスポットの照明が、闇の深さをくっきりさせて効果的。

設定は終戦後まもなく、東京郊外の塔がある大きな屋敷。妻をなくして意欲を失っている劇作家の「私」(田中哲司)と、屋敷の持ち主の縁者、管理人ら、それぞれ思惑を抱えた9人が、表面は穏やかに暮らしている。そこへ私を訪ねてきた物静かな演劇青年(松田龍平)。彼が実は殺人を犯したばかり、とわかって住人の間に動揺が走り、複雑な愛憎やエゴが噴出する。
戯曲の執筆は1952年。原爆投下によって神の領域を侵してしまった人間の、身勝手な生。テーマはちっとも古くない。観念的なばかりではなく、日常の恋愛やら投資やらの話題、コミカルなやり取りも散りばめられている。難しそうだけど、じっくり読んでみたい戯曲だ。
俳優陣では飄々として観察者めいた松田龍平が、不思議な透明感を漂わせて秀逸。塔から街を逆さに眺める、意表を突く姿が目に焼き付く。「浮標」に続いて膨大なセリフをこなす田中哲司、とても色っぽいのに清潔さが漂う松雪泰子(声に力があっていい)はもちろん、江口のりこ、中村まこと、長塚らが安定して達者。被爆したモモちゃん役の木下あかりになかなか存在感がある。
客席には堤真一さん、常磐貴子さんらしき姿も。内容の濃い舞台でした~
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歌舞伎「義経千本桜」

歌舞伎座新開場柿葺落「芸術祭十月大歌舞伎」夜の部 2013年10月

新開場も仕上げの秋となり、大作の通しシリーズに突入。まずは「義経千本桜」です。1Fほぼ中央のいい席で1万8000円。仁左衛門、菊五郎のベテランお二人を堪能する。相変わらず観客の華やかな雰囲気が楽しいけれど、幕切れはちょっと空席が目立って残念かな。

夜の部は四幕目からで、原作の三段目にあたる「木の実、小金吾討死」。平
維盛を尋ねて旅する若葉の内侍(東蔵)と若君、供の小金吾(梅枝)が木の実を拾う和やかな場面から、いがみの権太(仁左衛門)の騙りへ。権太は楽しみにしていた上方流だそうで、チャーミングでセリフが文楽っぽい。権太が小金吾を足で止めるシーンは、不調の肩のせいか、なかなか大変そうだったけど。後半は小金吾の縄を使っての立ち回り。花形の梅枝さんは声がいい。
休憩を挟んで渋い「すし屋」。導入部分は弥助、実は維盛(りりしく時蔵)
 お里(孝太郎)が夫婦のやり取りを稽古して微笑ましい。権太が母(竹三郎)の膝枕で金をせびるところまでは、コミカルだ。弥左衛門(歌六に重みがある)が帰宅し、武将らしくなる維盛の変化、お里のクドキと続き、権太がいったん伏線となる寿し桶を抱えて花道を引っ込む。
梶原景時(我當)が重々しく登場してからは、雰囲気が変わって怒濤の展開だ。緊迫の首実検に続き、権太が涙をこらえて女房小せん(秀太郎が上品)と息子を身代わりに差し出すシーンで、たっぷり泣かせる。
弥左衛門に刺されちゃってからは、モドリの長セリフで舞台を牽引。頼朝が陣羽織で温情を示し、維盛が出家しちゃうのは、文楽を含め、何度観てもあんまりだなあ、思うけど。

休憩でお弁当をつつき、いよいよ大詰「川連法眼館」通称「四の切」。前の歌舞伎座さよなら公演でも観た菊五郎さんの音羽屋型です。猿之助襲名公演で観た澤瀉屋型と比べると、宙乗りなどケレンは少ないけれど、忠信の菊五郎さんが体を張って大活躍だ。
前半は義経(梅玉)と静御前(時蔵が品良く)に対し、袖を広げてみせる決まりなど。後半、源九郎狐に変身するところからは、早替りや「狐詞」、ラストは吉野の悪僧を翻弄し、初音の鼓を抱えて木に登り、幕となりました~

仁左衛門、菊五郎とも年齢は隠せないけれど、存在感と、何とも言えない愛嬌がさすがです。ベテランが次々に欠け、仁左衛門さんまで手術で来月から降板という事態。なんとか花形に踏ん張ってほしい!
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立川談春独演会「死神」

立川談春独演会2013デリバリー談春「死神」  2013年10月

デリ春シリーズの参加4回目は、東陽町駅から徒歩数分の江東区文化センターホール。相変わらず客層は若い人も含めて幅広い。最後列に近い左寄りで3800円。
本日のトッピング、立川こはる「提灯屋」の途中から滑り込む。町内の若い衆が広告を読んでもらい、提灯屋に次々と家紋の謎を仕掛けて、ただで提灯をせしめちゃう。はきはき弾んで、いいけれど、「剣片喰」とか「捻じ梅」とか謎かけが難しい噺だな。
そして談春さんの1席目。寒暖の差が激しい気候で、衣替えが難しい、歌舞伎役者とアイドルのロマンス、歌舞伎はよくわからない、というマクラから、談志に直接習ってはいないけど、と講談由来の「白井権八」。お馴染み「鈴ヶ森」ですね。もちろん巧いんだけど、自分の体調のせいで後半眠くなって、もったいなかった~

仲入りを挟んで2席目は、東陽町にあった寄席の思い出、五代目円楽さんの「バイバイ」という爆笑エピソードを紹介して、聴衆に「サゲは変えますよ」とわからせておいて「死神」。笑わせどころの呪文の後半部分は「歌舞伎ばかりが何故もてる」、そしてラストはバタッと倒れないでエンドレスになる「回りオチ」だった。喬太郎さんで聴いた時ほど、人の愚かさの印象が深くなく、意外に淡々とした運び。そこに談春さんらしい説得力があった。
ラストでは松本で勘三郎さんの追悼会を開くという告知。今回は2席とも割に地味な演目だったけど、そこに談志、円楽、勘三郎への思いが詰まってた。会場には古市憲寿さんらがきてらしたようです。

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