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不道徳教室

M&0 Playsプロデュース「不道徳教室」  2013年6月

作・演出岩松了。大好きな岩松さんの新作は、現代国語教師・山城(大森南朋)と女子高生あかね(二階堂ふみ)の、危ういラブストーリー。登場人物の間に漂う不穏な空気、ヒリヒリ感を味わう。休憩無しの約2時間半。シアタートラムの中央で6800円。

「見る」「見られる」という関係が印象的だ。教師はストーカーまがいに少女をつけるし、マッサージ店の女リカコ(黒川芽以)も何故か教師をつける。花屋の窓に、自分と、背後から自分を見ている人の姿が映り、そこに窓の向こうにいる人が重なり合ったりする。「ただ見る」という思いのかたちの、官能的な引力と不確かさ。
ストーリーをたどるのは正直、なかなか難しい。独特の空白の多いセリフに加えて、時間が行ったり来たりする。恋人同士に罠を仕掛けるようなリカコや、少女たちの空想の産物らしい「帰還兵グレイ」など、謎の存在も気になる。事件はどうやらグレイが潜むとされる、観客からは見えない洞窟で起こるらしいし。これは戯曲を読まないと、かな。

1994年生まれの二階堂ふみが、確かな存在感で驚く。チャーミングなアイドル体型と意外に太めの声で舞台を牽引していて、これからが楽しみだ。恋敵になるチャコの趣里(1990年生まれ)、2人を取り持つ立場の弥生・大西礼芳(同)を加えた仲良し3人組が、放課後の寄り道とか奇妙なダンスとかで、少女らしく生き生きと躍動。みていて思わずニコニコする。特に大西の仕草が綺麗。俗物の教頭を演じる岩松さんは、笑いを含んで程よい重しだ。
シンプルな舞台だが、壁の前後を使ったスピーディーな追いつ追われつが巧妙だった。

追記。…というわけで、雑誌「悲劇喜劇」7月号の「特集岩松了」で戯曲を読んで復習した。セリフだけでなく、詩のようなト書きもイメージを刺激する。やっぱり恋人同士を見ている第三者の存在は謎だけど。この謎を反芻するのも楽しみのひとつですね。

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