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オセロ

オセロ~シェイクスピア作「オセロー」より~ 2013年6月

福田恆存の翻訳をもとに、白井晃が構成・上演台本・演出。世田谷パブリックシアターの中央やや右寄りで6500円。休憩を挟んで約2時間半。

白井さんらしいスタイリッシュな上演で、面白かった。どうやら舞台稽古という設定で、蛍光灯や階段、楽屋風の洗面台などセットはモノトーン、かつごくごくシンプルだ。役者が客席の間に陣取り、マイクを使って稽古を進行させる演出家と助手の役回りを兼ねたり。さらにはあらかじめ「注意とお願い」と題した1枚紙を配って予告してある通り、時に観客も演出に参加しちゃったり。そうして私たちは、この著名な悲劇をリアルタイムで目撃する大衆になる。

当たり前ながら、400年前の作品とは思えない心理劇ぶりに驚く。疑念の連鎖と人間の愚かさというテーマは、ちっとも古くない。タイトロールの仲村トオル、妻デズデモーナの山田優、副官キャシオの加藤和樹の3人がすらっとしていて、彼らを陥れるイアーゴの赤堀雅秋といい対比だ。低音を響かせて熱演する仲村と並ぶと、赤堀は当初、セリフが聞き取りにくい気がしたけれど、そんな少しもたつく感じが、この敵役が抱える焦燥感を醸し出す。イアーゴの造形がそれほどドロドロしていない分、むしろ「被害者」側のピュアであることの罪のほうが際立つ。なんだかイアーゴが気の毒に見えてきちゃう。

イアーゴの妻・高田聖子、裕福な貴族の水橋研二、サイプラス島の元総督・有川マコトらが安定。舞台上でアコーディオン、チェロ、バスが現代的な音楽を奏で、俳優たちが騒々しくアルミ缶を叩いて不穏な空気を増幅する。モダンダンスのような動きと、時に人物の影を浮かび上がらせる照明が効果的だ。

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