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歌舞伎「伽羅先代萩」「廓文章」「梶原平三誉石切」「京鹿子娘二人道成寺」

歌舞伎座新開場柿葺落五月大歌舞伎 第二部 第三部  2013年5月

4月に続いて大顔合わせが続く歌舞伎座。華やいだ雰囲気だ。風邪が残っているせいでどうにも眠いのが残念だったけど、名優、名演を楽しんだ。第2部が3時間弱、第三部もほぼ3時間。それぞれ1F右端のほうの席で2万円と、あまり観やすくないけど贅沢です。 

二部は「伽羅先代萩」の「足利家御殿の場」でスタート。歌舞伎座さよなら公演では「実録先代萩」を、亡くなった中村芝翫さんの浅岡で観て、とても動きが少なかった印象がある。文楽でも観たが、今回はその文楽を採り入れたそうで、「飯炊き」はなく導入は短め。対決シーンで乳人政岡が若君・鶴千代を守ろうと居間に入れ、戸口に仁王立ちするところが格好良い。小柄な人間国宝・藤十郎さんが大きく見えます。敵の栄御前(秀太郎)が立ち去ったのをしつこく見極めるシーンから、ようやく一子千松(福太郎)に寄り添うクドキまでは、きめ細やか。もう一人の敵・八汐は柄が大きい梅玉、味方の沖の井に時蔵、松島に扇雀。
「床下の場」は一挙にスペクタクルに転じ、御殿のセット全体がせり上がって、荒獅子男之助の吉右衛門さんが、派手な荒事の出で立ち、ネズミを踏みつけて登場して豪快だ。ネズミが逃げると、スッポンからスモークと共に妖術使い・仁木弾正が出現。蝋燭の「差出し」のなか、ひと言もしゃべらず悠々と引っ込む。幸四郎さん、なかなかの凄みでした。

幕間を挟み、がらっと雰囲気が変わって「夕霧伊左衛門廓文章」から「吉田屋の場」。竹本連中、常磐津連中を従えた上方和事です。さよなら公演で観たのと同じ、きわめつけ仁左衛門、玉三郎コンビで安定感。艶やかな衣装もたっぷり見せます。文楽でも観た演目だけど、若旦那の可愛さ、一本筋の通った自由さの表現はさすがだ。ちょこまか歩きが絶品。花道で差出しを使うのも松嶋屋型だそうです。吉田屋は弥十郎、女房おきさは秀太郎で安定。たいこ持ちは仁左右衛門さんの孫・千之助がはきはきと。

休憩で3F「吉兆」の夕食をとり、三部は初めて観る「梶原平三誉石切」、通称「石切梶原」。石橋山の勝利の後、鶴ヶ岡八幡宮で平家がたの景時(吉右衛門さんが威風堂々)と、大庭景親(菊五郎さんも大きく)、俣野景久(大活躍の又五郎)兄弟が飲んでいる。そこへ青貝師の六郎太夫(歌六)と娘・梢(芝雀)が刀を売り込みにきて、景時が鑑定する。仕草が美しい。二つ胴の試し斬りシーンはユーモラスながら、景時の腕と情けが印象的。実は景時は頼朝を逃がしており、源氏がたの六郎太夫にシンパシーを感じていると明かす。大詰め、名刀で手水鉢を真っ二つにするところは、タメが長くてちょっとハラハラしちゃった。前半は我慢、やがて明るく、格好良い物語だなあ。

ラストはお楽しみ舞踊劇「京鹿子娘二人道成寺」の道行より鐘入りまで、竹本連中&長唄囃子連中。「娘道成寺」は福助さんで観たことがあるが、今回は白拍子花子が2人という面白い趣向で、平成16年初演だそうです。花道揚幕から花子(菊之助)が登場し、スッポンから同じ衣装のもう一人の花子(玉三郎)が加わる。玉三郎さんは艶やか、菊之助はぽっちゃりして可愛らしい。華やかで幻惑的でした~

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