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文都襲名公演「味噌豆」「稽古屋」「幇間腹」「かんしゃく」「はんどたおる」「鬼の面」

八天改メ七代目月亭文都襲名披露公演 2013年3月

桜まつり中の国立演芸場に初めて足を運んだ。襲名披露ということで豪華な顔ぶれだ。舞台が間近いいい席で5000円。

まず月亭方正が、今日は口上の司会を務めるが実はテレビタレントとして司会をしたことがない、いろいろ体を張った仕事をしたが、牛蒡で殴られたのが辛かった、という爆笑のマクラから「味噌豆」。定吉と主人がともに味噌豆をつまみ食いする軽い噺。元気でいい。
続いて師匠の月亭八方が「稽古屋」。喜六がもてたい一心で芸を習いに行く。小唄などをまじえた「はめもの」で、ちゃんとしてます。文都さんから噺を教わったとか言われたり、個人的にはいまだに「ヤングおー!おー!」のイメージだったけど。阪神ネタもちらり。
そして悠々と、落語芸術協会副会長の三遊亭小遊三が「幇間腹」。鍼を習った若旦那がたいこもちで実験する。立川吉幸さんで聴いたことがあるが、さらりとして聴きやすい。

仲入りをはさんで口上。笑福亭鶴瓶さんが被災地の高校生の言葉を引用して温かく、立川志の輔さんは2009年に亡くなった弟弟子の立川文都の思い出を真面目に。小遊三さんは八方さんが作った「八聖亭」を紹介。
後半はまず鶴瓶が、師匠松鶴の思い出を語る「かんしゃく」。とにかく「おやっさん」のキャラが魅力的だ。せっかちで、靴やサインペンを用意する弟子にいろいろと無茶を言い、適当なカタカナ語をまじえて怒鳴り散らす。けれど「客の気持ちを感じる」大切さをしっかり伝えている。短い時間で笑わせ、泣かせて、巧いなあ。
志の輔は以前聴いたことがある「はんどたおる」。妻と夫のすれ違い劇をきっちりと。
そしてトリは主役の月亭文都で「鬼の面」。月亭としては113年ぶりの復活だそうです。子守のおせつはお多福の面を母と思って大事にしていたが、旦那が悪戯で鬼の面にすり替える。これは母に何かあった報せに違いないと、おせつが実家に急ぐ道中、博打打ちを鬼の面で驚かせて大金を手に入れちゃう明るい噺。手堅いけれど、メリハリが今いちなのが残念だったかな。

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