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METライブビューイング「リゴレット」

METライブビューイング2012-2013第9作「リゴレット」  2013年3月

ユーゴー原作、ヴェルディが名声を確立した中期の作品を、マイケル・メイヤー演出、C・ジョーンズ美術、S・ヒルファティー衣装という「春のめざめ」のトニー賞チームの大胆演出で。1972年生まれ「赤丸急上昇中」のミケーレ・マリオッティ指揮、2回の休憩を挟んでほぼ3時間20分。2月16日の上演。新宿ピカデリー、いつもの最後列左寄りで3500円。

初めてだったけど、話はけっこう身も蓋もない。毒舌で嫌われている道化リゴレット(ジェリコ・ルチッチ、バリトン)は、箱入り娘ジルダ(ディアナ・ダムラウ、ソプラノ)が放蕩者の主君・公爵(ピョートル・ベチャワ、テノール)に誘惑され、復讐を決意。しかし嘲笑の報いか、一途なジルダが身代わりになってしまうという悲劇だ。
舞台を16世紀マントヴァ宮廷から、なんと1960年代ラズベガスのシナトラ一家に移してますが、享楽、父の苦悩といったテーマが普遍的なので違和感はなく、退廃の色が濃い。1幕、2幕はギンギラのネオンやエレベーター、MET風の鉄格子の扉、シャンデリアを配置。3幕では背景のネオンで雷雨を表現し、キャデラックも登場する。冒頭でマフィア一味を呪うモンテローネ伯爵がアラブの富豪というのは、短絡的な気がしたけれど。観客は拍手が多く、3幕冒頭でトップレスのポールダンサーに喝采するなどノリノリだった。

もちろん音楽は格好いい。劇的なアリアに加え、「美しい恋の乙女よ」など、オケとシンクロする重唱が次々繰り出されて盛り上がる。ルチッチは役にふさわしく影があり、2幕の長大なモノローグ「悪魔め、鬼め」などで安定感を発揮。ベチャワがド派手なレビュー風「あれかこれか」や有名なカンツォーネ「女心の歌」をあっけらかんと聴かせ、チャラ男ぶりがはまっていた。男性優位の中で、ダムラウは果敢に可憐さを表現。インタビューでは、さらわれるには太めなのを認めるお茶目さも(可愛い息子さんも登場)。ワキがまた良くて、殺し屋スパラフチーレのステファン・コツァン(バス)は華奢な二枚目。名乗りで低音を長くひっぱって凄みをみせ、カーテンコールの拍手は一番だったかも。妹マッダレーナのオクサナ・ヴォルコヴァ(メゾ)も美脚で色っぽく、モンローそっくりの伯爵夫人が長身で映えていた。公爵の取り巻き「ラットパック」たちはタップダンスで奮闘。

オペラのエンタメ性を実感。特典映像のインタビューでは次作「パルシファル」のカウフマンが自信満々で登場してました。

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