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ノートルダム・ド・パリ

ノートルダム・ド・パリ  2013年3月

珍しいフレンスミュージカル英語版の来日公演千秋楽に足を運んだ。作詞リュック・プラモンドン、作曲リシャール・コッシアンテ、演出ジル・マウ、振付マルティーノ・ミューラー。観客は若い女性を中心に幅広い。東急シアターオーブ、1F通路後ろ中央のいい席で1万2000円。休憩を挟んで約2時間半。

原作は15世紀パリを舞台にした、ヴィクトル・ユーゴーの著名な小説だ。映画の「レ・ミゼラブル」、オペラの「リゴレット」と最近なぜかユーゴーづいているな。ノートルダム大聖堂の醜い鐘つき男カジモド(マット・ローラン)が、魅惑的なロマの娘エスメラムダ(アレサンドラ・フェラーリ)に恋をするが、近衛隊長フェビュス(イヴァン・ベドノー)の裏切り、司教フロロ(ロバート・マリアン)の屈折と策略によって悲劇の結末を迎える。

大聖堂の巨大な壁面をバックに、大がかりでシンプルなセットに紗幕、照明を組み合わせて場面を表す舞台はお洒落だ。しかし展開が平板な印象で、どうも盛り上がりに欠けたのが残念。コミカルなシーンを挟むといったアクセントや、キャストの色気がもう少し欲しかったかな。
歌とダンスを分業しているのが特徴だそうで、セリフはなく、全編50曲以上の歌だけで進めていくところはオペラっぽい。曲にはフランスらしい切なさがあり、冒頭から吟遊詩人グランゴワール(リシャール・シャーレ)が歌い上げる「カテドラルの時代」が聴かせます。このメロディーは2幕冒頭ではフロロが加わって重唱「フィレンツェの話をしてくれ」に。フィギュアスケート羽生くんのフリー曲で知られているんですね。1幕ラストのフェビュスとエスメラムダの逢い引き「悦楽」から「運命」のところも、格好よくて好み。
歌手では高音がミュージカルらしいフェヴェスと、吟遊詩人が良かった。ハスキーなカジモド、裏声が多めのエスメラムダは、それぞれ大詰めのソロに至って調子が出た感じ。
ダンサー約20人は無重力さながら壁をよじ登ったり、吊り下げた鐘を空中ブランコにしたり、体操風だったりと奮闘していたけど、広いステージが視野に入っていたせいか、アクロバティックさのインパクトは今ひとつ。ブレイクダンスが受けていた。
カーテンコールは撮影自由で、客席はスタンディング。フランス語のアカペラもちらりと披露していた。この音楽はフランス語の方がはまるかも。

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