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METライブ・ビューイング「アイーダ」

METライブ・ビューイング2012-2013第6作「アイーダ」 2013年1月

2週連続のライブ・ビューイングは、お馴染みヴェルディ円熟期の大作。指揮ファビオ・ルイージ、演出はソニア・フリゼルの1988年版で、神殿など大がかりな古代エジプトのセット、キンキラの衣装で、大勢のエキストラや馬が登場するオーソドックス、かつゴージャスなもの。昨年12月15日の上演で、1幕と2幕が1時間弱ずつ、3幕・4幕が続けて1時間強。ほぼ満席の新宿ピカデリー最後列中央あたりで3500円。

歌手陣はラダメス役のロベルト・アラーニャ(テノール)が、いきなり聴かせ所になるアリア「清きアイーダ」を丁寧にこなし、ラストをピアニッシモで決め、いい感じで滑り出した。幕間のインタビューでは、ロンドンで「愛の妙薬」を歌ったばかりで切り替えが難しく、「午後1時にこのアリアは辛い」と言いつつ、ヴェルディの指示通りに歌った、と強調してました。彼にとってはスカラ座を出入り禁止になったという、いわくのアリアだから言い訳めいて聞こえるけど、個人的にはこれもアリかな。
何回も見ている演目ながら、今回は確かに弱音で終えるアリアが多くて、難しそうだなあと思う。ちなみにアラーニャは2011年にライブ・ビューイングの「ドン・カルロ」で聴いて以来。わずかな間に安定感がぐんと増した感じです。
1幕ではタイトロールのリュドミラ・モナスティルスカ(ソプラノ)が、格好良い「勝ちて帰れ」。キエフで活動しており、2011年3月にアイーダの代役でロイヤルオペラに登場、METも今回がデビューの新星だそうです。デビューでいきなりこの大役とは。色気は薄いものの、声が強くて堂々としていて、そのくせ繊細さもある。幕間のインタビューは通訳を付けつつ、落ち着いていて大物です。

休憩を挟んで第2幕はお楽しみ「凱旋の場」。壮大な凱旋行進曲と共に、大人数の合唱とバレエが「グランド感」を盛り上げる。
迫力あるアムネリスのオルガ・ボロディナ(メゾ)を交えたアンサンブルは、出だしこそ今ひとつだったけど、だんだん調子を上げた感じ。ボロディナはこの役をMETでもう35回も歌っているとかで、貫録十分。3幕、4幕では3人それぞれの愛情と怒りのせめぎ合い、葛藤、悲痛さをきめ細かく表現していた。アイーダの「おおわが故郷」などが泣かせる。ラストもしみじみと消え入るようで、美しかった~ ほかにはアモナズロ役で、グルジアのギャクニッザ(バリトン)ら。この人は今年のスカラ座で来日するそうです(ガクニーゼと表記)。

幕間のサービス映像はキャストのほか、大忙しの女性舞台監督ギャンリー(カーテンコールの指示ぶりとか、舞台裏の映像もたっぷり)や、動物担当ノーヴァグラッドらのインタビューでした。

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