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悼む人

PARCO&NELKE PLANNING presents「悼む人」  2012年10月

天童荒太が2009年に直木賞を受賞した小説を原作に、「39」などの大森寿美男脚本、「ケイゾク」「TRICK」の堤幸彦演出、なんと全国11都市で公演という話題の舞台だ。パルコ劇場の後ろのほう左寄りで8400円。向井理ファンが多いのか、観客層は若め。

全国を放浪しながら事件・事故の現場を訪れ、見知らぬ犠牲者を哀悼している不思議な若者・静人(向井)。夫殺しの罪を背負って静人と行動をともにする倖世(小西真奈美)、静人を信じ家で待つ病身の母(伊藤蘭)、妊娠中の妹(ハロプロの真野恵里菜)、愛というものに懐疑的な週刊誌記者・蒔田(手塚とおる)がからみ、休憩を挟んで3時間弱、大切な人の死や後悔との向き合い方を切々と問いかける。
原作を読んでいないのだけど、作家の深く真面目な思考が全体を支配しているという印象。セリフは観念的だ。ドーム型のセットで全体を包み、その他の舞台装置は最低限にして、代わりにスクリーンに風景などの写真を映す。小西が演じ分ける亡き夫の声など、ところどころマイクを使うせいもあって、映像のほうにウエートがかかっている感じ。ちなみに分厚いプログラムも写真集風です。

徹底して父親不在の物語の中で、向井は終始中性的な、抑制の効いた演技。気丈にコミカルさを漂わす伊藤、屈折と変化を示す手塚がさすがの安定感だ。カーテンコールで誕生日と紹介された小西真奈美さんのバレリーナ風のお辞儀が可愛かった。

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