こどもの一生
PARCO&cube Presents「こどもの一生」 2012年11月
中島らもの1990年初演作を、枡野幸宏潤色、G2演出で。パルコ劇場の左寄り後ろの方で8000円。客層は若めだ。休憩無しの2時間。
孤島の診療所に集まった5人の男女。ストレス症状緩和のため暗示によって子供に還るが、子供らしい悪ふざけが思わぬ波乱を招く。
チラシによると、初演当時は「テクノストレス」「ヴァーチャル・リアリティ」などのキーワードを意識したという。細かい設定は変えているが、現代人を取り巻く抑圧というテーマは決して古びていない。後半で本音が暴走してしまうあたり、この作家らしく知的な展開。ただ、たまたま大人が子供を演じるという共通項があった「楽園」などと比べると、やや意外感、ぞくっとするような怖さは薄かったかも。舞台はシンプルなモザイク状の壁や格子、長テーブルなどを出し入れして、洒落ていた。
従順な秘書の谷原章介は、お辞儀がうまくてはまり役。暴君の社長・吉田鋼太郎と怪しい男の山内圭哉(本当に怪しい)、看護師・鈴木砂羽が引き締める。山内のハプニングに吉田が笑っちゃって、苦しそうな場面があり、カーテンコールも和気藹々。抑えめだった玉置玲央がちょっと楽しみ。
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