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六月大歌舞伎「小栗栖の長兵衛」「義経千本桜」

六月大歌舞伎 昼の部 2012年6月

初代市川猿翁、三代目段四郎の50回忌追善で、二代目猿翁、四代目初舞台という澤瀉屋一門話題満載の公演だ。きれいどころの姿が目につき、名入りの菓子や新猿之助オリジナルのカトラリーセットを売るなど、お祝いムード。新橋演舞場2階3列目で1万9000円。

まず「小栗栖の長兵衛」。注目の香川照之さんが歌舞伎初挑戦でタイトロールを演じるが、岡本綺堂作の新歌舞伎とあって違和感はない。立ち回りも危なげなく、汗だくの大活躍だ。
酔っぱらって巫女(春猿)にお酌を要求する乱暴者の長兵衛(中車、メークがコミカル)。馬士(右近さんもコミカル)から泥棒の疑いもかけられ、父・長九郎(寿猿、ベテラン後見役ですね)がたまらず勘当を言い渡すと、大暴れして簀巻きにされてしまう。ところが逃亡中の光秀を槍で突いたとわかり、都で秀吉から褒美を受け取るとなると、皆から一転して褒めそやされ、馬士が差しだした馬で意気揚々と花道を引きあげていく。笑いの中に、大衆のご都合主義がシニカル。ほかに妹が笑三郎、その婿が門之助。

休憩後は福山雅治監修、ゆかりの俳優たちの隈どりを重ねたという幕がひかれて口上。中央に新猿之助、中車、團子が市川家らしいピンと立った髷で控え、大御所・藤十郎が紹介。段四郎、右近ら一門の言葉に秀太郎が重みを添える。猿之助が何やら難しいことを言い、中車が懸命に、團子が可愛く続いた後、後方の襖が開いて台に坐ったまま新猿翁が登場。回らない口でしゃべり、左右に見得を切るさまが痛ましいが、一族の物語も含めて俳優の業を感じさせる。

再度の休憩後、「義経千本桜」から「川連法眼館の段」通称「四の切」。文楽のほか、2009年には菊五郎さんの音羽屋型・忠信で観た演目だ。今回はお待ちかね新猿之助で、狐親子の情愛に加え、澤瀉屋型のケレンをたっぷりと。階段がひっくり返って登場し、人間と狐の早替わり、「狐手」「狐詞(ことば)」、欄干渡しときて、ラストは花道から宙乗り狐六法で、花吹雪のなか2階席のほうへ飛び去りました。さすがにキレがいい。川連法眼が段四郎、静御前が毅然とした秀太郎、藤十郎が義経で舞台を締める。

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