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ベルが鳴る前に

ペンギンプルペイルパイルズ「ベルが鳴る前に」 2012年2月

作・演出倉持裕。劇団の新作は約2年ぶりだそうです。本多劇場の最前列で5000円。若い観客が多くて、なんだか浮き浮き。

中央に金属の塊のようなセットを置いて回転させ、角度によってトラック、巨大マシーン、謎の地下施設の部屋に見立てつつ、場面を転換していく。2時間超、休憩無しだけど、一見無関係なシーンが時系列では前後しながら、やがてつながっていく展開がうまくできていて、飽きなかった。

お話は寓話めいたSF。シーンごとに様々な、人と人との軋轢が演じられる。墓地に投げ出され、動かせなくなった巨大マシーンを見張る女(奥菜恵)と、そんなマシーンが邪魔しているせいで、大事な人の葬式があげられないと責める人たち。どうやらマシーンは、選ばれた人だけが迫り来る危機から逃げのびるための、脱出装置らしい。
別のシーンでは、そのマシーンを動かすべくトラックで急ぐ機械技師(小林高鹿、奥菜の婚約者)と、彼をピストルで脅し、無理に別の目的地に向かわせようとする男(玉置孝)がせめぎあう。実はこの男は、人々が直面している危機突破の鍵、ホムンクルス(人工生命体)を目覚めさせるため、地下施設に派遣されていたのだが…。
最初はばらばらなエピソードが、徐々に関係していき、やがて寒々とした虚しさを浮かび上がらせる。軋轢を起こしてまで、誰かのためにと思ってしたことが、決して思い通りに受け止めてもらえず、結局はエゴになってしまう虚しさ。ファンタジーなんだけど、延々と続く無意味な身体検査とか、イメージがリアルだ。

ゲストの奥菜恵がすらりと透明感があり、なかなか達者。ぼくもとさきこ、裵ジョンミョンらオーディションで選ばれたという11人を含む俳優陣も健闘だが、一人で何役もこなす割にメリハリが今ひとつで、ストーリーが飲み込みにくい点がちょっと残念。もう少しキレが欲しかったです。恐ろしげな生命体ホムンクルスのチープ感は微笑ましい。客席には鈴木砂羽さん、尾上寛之さんがいたような。
Penguin

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