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渋谷に福来たる「あくび指南」「不孝者」「時そば」「大工調べ」

毎日新聞落語会・渋谷に福来たる~落語ムーヴ2012~vol.5  2012年1月

左右に桟敷席がある渋谷区文化総合センター大和田伝承ホールで、中段左端の席3500円。男性客中心に満席です。年齢は幅広いかな。狭いロビーではシリーズ次回のチケットを販売。

柳家三三、続いて立川志らく、春風亭一之輔が登場し、立ったまま「おしゃべり」。贅沢な組み合わせですね~。志らくさんがさすがのサービス精神を発揮し、三三の巧さや、真打ち昇進が決まった一之輔のスピード出世を誉めつつ、「立川流は志の輔からキウイまで幅広い」と笑わせ、自分の昇進をかけたトライアルは出来レースだった、と語る。「えっ、その場に観客でいて真剣勝負だと思ってたのに」と一之輔さんが驚いてました。三三さんは立っていると、なんだか仕草が落ち着かないことを発見。

前半はまず一之輔さんが、今日は前座だとちょっぴり愚痴ってから、真打ち披露興行のえらく格好良いポスターに落書きされたマクラ、そして「あくび指南」へ。職人が美人の師匠目当てであくびを習いに行くけど、案に相違して教えるのは男で、という噺。この人は声と風情が色気たっぷり、舞台に求心力があって楽しみですねえ。ただ後半、夏の夕暮れの船遊びは退屈で…というあたりからは、繰り返しがホントに退屈っぽくなっちゃった。そういう演目なのかな。
続いて三三さんが「不孝者」。遣いに出たのに茶屋に寄り道して遊んじゃってる道楽息子。ひとつお灸をすえようと、大旦那が奉公人に化けて迎えに行くが、粗末な小部屋で待たされる間に昔なじみの芸者に会って、という噺。相変わらず端正な語り口が心地良いけど、ちょっと平板だったかも。

10分の仲入り後、後半はまず志らくさん。自分は談志の思い出を話す、話さないという談春に高田文夫さんが「武士か」「乙女か」と突っ込んだ、というマクラから「時そば」。やっぱり勢いとメリハリが効いていて思わず引き込まれるなあ。脱線は控えめだけど、大阪風味、韓国風味、そして小さんが高座の後で蕎麦を食べていたら、お客さんに落語の仕草ほど巧くない、と言われた、なんてくすぐりを挟みつつ、サゲまでとんとんとテンポよく。
そして締めは三三さんの2席目。職人と親方の関係などに触れてから「大工調べ」。以前に三三、談春で聴いたことがある演目だ。談春さんだと人物造形がこってりしていて、大家の偏狭さや、大家に対峙する棟梁の怒りの破れかぶれぶりが際立つ。これに比べると三三さんは全体に淡々としています。語りによどみがない分、聴いているほうは筋を追う感じになってしまって、見事な早口の啖呵に拍手する間もないのはちょっと寂しいけれど、押しつけがましくないのは悪くない。今回もお白州のサゲまで、きっちり聴かせてくれました。

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