« 平成中村座「猿若江戸の初櫓」「伊賀越道中双六」「弁天娘女男白浪」 | トップページ | METライブビューイング「ドン・ジョバンニ」 »

ヴィラ・グランデ青山

ヴィラ・グランデ青山~返り討ちの日曜日~  2011年11月

お気に入り倉持裕の作・演出で、竹中直人、生瀬勝久というこれ以上ない濃い顔合わせ。客席は演劇好きが集まっているような大人っぽい雰囲気だ。日比谷シアタークリエ、前の方の中央で8000円。この劇場は2007年のこけら落とし以来だが、ホワイエが狭いので開演前なら席で飲食できるようにしていた。

休憩無しの約2時間。会場の雰囲気に合った、軽快な会話劇のコメディだった。場所は表題通り、青山にあるお洒落だけど築20年のマンション。ここに住むデザイン事務所経営の民谷(竹中直人)がある日、20年来の仕事仲間で写真家の陣野(生瀬勝久)を呼び出す。娘(谷村美月)の元カレと揉め、当人が謝りに来るので同席してほしいというのだ。
格好つけてるいい大人が、結構ちっちゃい奴同士で、どこか子供っぽく言い合う。特に民谷は、姿を見せない者(元カレやら騒音に文句を言うマンションの住人やら)を相手に空回りしてばかり。詳しくは語られないけれど、陣野とは同じこのマンションに住んで、しょっちゅう飲む仲だったのに、なにかのきっかけで3年も会っていなかったらしい。相手はわかってくれるはず、という甘えや底流にある信頼、そうはいってもわからないこともあるよ、という、いかにもありそうなすれ違いのドラマだ。

マンションの中庭、室内、そしてまた中庭というシンプルなセットで、この室内の演出が意表をつく。陣野が美人のOL(山田優)に貸している部屋、そして民谷と娘が住む部屋が出てくる。同じ間取りという設定で、2部屋に別れているはずの人物が、1部屋に同時に登場。互いに透明人間のように振る舞い、相手が目の前にいるのに携帯電話で会話したりする。見えているようで見えていないという距離感の視覚的表現が面白い。

俳優陣はみな達者。竹中は舞台でみると、とても小柄で線が細く、いっそ頼りない感じ。隙さえあれば小刻みで妙な動きを披露し、笑わせる。生瀬はそれを絶妙のズレ具合で、ゆったり受け止める。この人は本当に懐が深くて、今回は2枚目バージョンでしたね。かき回し役の管理人(田口浩正)も上手。冒頭の彫刻を壊しちゃうシーンとか、けっこうベタなネタが気持ちよく笑えるのは、この3人の掛け合いならではでしょう。民谷と陣野のキャラの対立がもっと鮮明だったら、歯ごたえがあったと思うけど。
谷村美月に安定感があり、元カレの友人、松下洸平は爽やか。初舞台の山田優も頑張ってました。驚異のスタイルのよさで、足上げや歌も披露。

Photo_2

« 平成中村座「猿若江戸の初櫓」「伊賀越道中双六」「弁天娘女男白浪」 | トップページ | METライブビューイング「ドン・ジョバンニ」 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ヴィラ・グランデ青山:

« 平成中村座「猿若江戸の初櫓」「伊賀越道中双六」「弁天娘女男白浪」 | トップページ | METライブビューイング「ドン・ジョバンニ」 »