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サロメ

サロメ  2011年10月

オスカー・ワイルド原作、リヒャルト・シュトラウスの1905年初演のドイツ語版。新国立劇場オペラハウス。芸術監督・尾高忠明が指揮で新国立初登場のはずが、体調不良でラルフ・ヴァイケルトに変更になって残念。入り口に尾高さんのメッセージが貼りだしてあった。
1F正面やや前よりでS席1万8900円。少し空席があったけど、来日公演ラッシュの後では仕方ないかも。開演前に英語で地震発生時の注意が流れた。

1幕1時間40分で、世紀末の色濃いストーリーが不協和音の目立つ暗めの旋律に乗って展開する。タイトロールのサロメはイェサレム王ヘロデの継娘。古井戸に幽閉されている預言者ヨハナーン(イエスに洗礼したヨハネですね)に興味をもち、衛兵ナラポートの恋心を利用して連れ出させる。しかしヘロデとサロメの母・ヘロディアスの不倫婚を糾弾する高潔なヨハナーンに、キスを求めて拒絶されちゃう。そこで自分を溺愛する王ヘロデに官能的な「7つのヴェールの踊り」を舞ってみせ、褒美としてこともあろうにヨハナーンの首を求める。

サロメ役のエリカ・ズンネガルドが、ダンスを含め、ほぼ出ずっぱりで熱演。バイエルン組に比べてなんてスタイルがいいことか。子供っぽく愚かな雰囲気をよく出していて、妖女というより哀れな印象だ。ヨハナーンのジョン・ヴェーグナーに声量があり、預言者らしい説得力を発揮。ヘロデのスコット・マックアリスターはちょこまか動いて少し喜劇的。ヨハナーンも怖いし、妻ヘロディアスも怖いという情けなさです。本物の悪女ヘロディアスのハンナ・シュヴァルツに迫力があった。

再演を繰り返してきたというアウグスト・エファーディングの演出(再演演出・三浦安浩)は、舞台奥に宮殿、手前に古井戸を置いて、場面転換なしに進む。巨大な井戸の蓋と宮殿の幕を開閉するけれど、照明などの変化はほとんどない。救いのないお話のせいか、どうもカタルシスがなかったかなあ。

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