METライブビューイング「セヴィリァの理髪師」
METライブビューイング2006-2011アンコール上映「セヴィリャの理髪師」 2011年9月
2006-2007シーズンの第5作を東劇で。観やすい後方中央の席で3000円。けっこう入ってます。指揮マウリツィオ・ベニーニ、演出バルトレット・シェア。ロッシーニ、ベニーニ、フローレスは2010-2011シーズンの「オリー伯爵」と同じ組み合わせですね。
有名な序曲から浮き立つようなロッシーニ節。シンプルな書き割り風の舞台で繰り広げる、ご都合主義といえばご都合主義のドタバタ喜劇です。貴族への風刺や、「無駄な見張り」という「退屈なオペラ」がキーワードになるなど、小ネタも効いている。この日の演出は、オケの前方に作った宝塚風の花道に歌手が出てきて、客席をいじるサービスも。1幕1時間半、2幕1時間強だけど、あまり長さを感じさせない。
歌手陣は何といっても、恋に生きる伯爵アルマヴィーヴァ(テノール)役のファン・ディエゴ・フローレス。アジリタの連続、そしてラストでは長大なアリアを歌いきってドヤ顔全開。「チェネレントラ」と同じメロディーがあるんですね~。変装やらカツラがとれちゃうアクシデントやら、コメディ演技もノリノリ。小柄で愛嬌があるから、お茶目な役は本当に巧い。
アジリタという点では、伯爵と両思いになるロジーナ(メゾ)のジョイス・デドナートも聴かせます。理不尽な軟禁状態から抜けだそうとする、したたかさがいい。狂言回しのフィガロ(バリトン)、ペーター・マッティは長身で男らしい艶がある。年甲斐もなくロジーナに結婚を迫る後見人、バルトロ(バス)は「ドン・パスクワーレ」でも同様の役をしていたジョン・デル・カルロ。無口な召使いの相棒と共に、相変わらず観客に人気がある。軽く寝返っちゃう音楽教師バジリオ(バス)のジョン・ヘイリーも安定感。楽しかったです!
舞台の映像、幕間の舞台裏紹介などは最近に比べると凝ってません。ライブビューイングも進化しているんだな、と実感。
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