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夏の正蔵「もぐら泥」「王子の狐」「ぼんぼん唄」

第二期林家正蔵独演会「夏の正蔵」 2011年9月

こぢんまりした紀尾井小ホール。中央前の方で3000円。

いきなり正蔵さんが登場し、マクラもそこそこに「もぐら泥」。敷居の下を掘って手を入れ、戸を開ける泥棒のことだそうです。泥棒は縛られ、通りがかりの男に助けを求めるが散々な目に遭う展開。商家の旦那と泥棒の掛け合いが馬鹿馬鹿しいんだけど、肝心のところを言い間違えちゃってぼろぼろ。

反省しつつ、続いて「王子の狐」。今日は動物つながりかな? 王子稲荷参りの男が、女に化けた狐を逆に騙してやろうと、料理屋で酔わせて置き去りにする。でも、たたられてはたまらない、と巣穴に謝りに行く、ほのぼのとしたお話。だんだん調子が出てきました。

中入り無しで、二つ目さんが1席。その間に着替えた正蔵さんが再び出てきて、ラストは「ぼんぼん唄」。浅草の観音さまに子宝の願をかけていた夫婦が、お参りの際に出会った迷子を連れ帰る。可愛がって育てていたが、近所の子供と唄った「盆の唄」の文句を手がかりに、ついに親を捜し当てる。さて、返しに行くか、行かないか… こちらは親探しの決め手になるお守りが狐さん。あえて子供の描写に頼らず、夫婦の会話で描き通した人情噺にホロリ。二組の「親」を結びつけるハッピーエンドでした。

流ちょうとか上手とかとは言えないんだろうけど、あざとさがなくて、いつもながら真面目な人柄を感じました。がんばれ!

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