チャリティ落語「壷算」「替わり目」「時そば」「道灌」「ハナコ」
第2回東日本大震災チャリティ落語-落語の力- 2011年7月
出演者全員無償のチャリティで、落語6団体が協力している。渋谷C.C.Lemonホールの1階中ほど右寄りで3800円。
しょっぱなが三遊亭王楽さんという贅沢さ。ちょっと遅れちゃって、ナイツの漫才の終わる頃に到着しました。
まずは大御所、歌丸さんの「壷算」を聴く。笑点ですよ、うわあ本物、って思っちゃう。噺は端正。談笑さんの薄型テレビ算のほうが何度も聴いてるわけですが、はは。
続いて三遊亭小遊三さんが「替わり目」。談春さんで聴いたことがある演目で、酔っぱらいが車屋さんに無茶を言うところから、夫婦愛を感じさせるところまで。小遊三さんの酔っぱらいは可愛げがあり、女将さんとのやりとりも歯切れがいい。
短い仲入りのあと、渡辺正行さんが登場。幕が上がったら高座がそのままなので客席がどよめく。落語なんですね~ マクラは明大落研で志の輔さんから伝統ある高座名を受け継いだ逸話など。志の輔さんの真似がうまい。「冬の噺だけどこれしかできない」「着物も冬物」などと言い訳しつつ、「時そば」をきっちりと。
そしていよいよ談春さん。立川流が寄席スタイルに呼ばれるとは、自分がショートプログラムで兄弟子がフリーをやります、などと、相変わらずちょっと斜に構えたマクラから、初めて習った噺、と前置きして「道灌」。ご隠居から、道灌が雨具を借りようとして和歌で断られるエピソードを習った八五郎が、真似ようとしてグダグダになる。八五郎の駄洒落をご隠居が採点するあたり、テンポがよくて、さすがに巧い!
トリは志の輔さん。故郷富山の焼き肉店のユッケ騒動、規制が発表されて「えっ、ダメだったの?」と驚いた話、とはいえ事前に断ればいいのか、という疑問から、飛行機の天候調査の話…と、結構ハイテンションなマクラがあって「ハナコ」。なんでも事前にしつこく説明する宿、しまいには夕食に出す牛の説明まで…という新作です。風評被害も連想させ、「今らしさ」が色濃い。チャリティでもこのヒネリ、らしいですね。
この豪華顔ぶれで2時間半。駆け足だったのがやや残念だけど、楽しかった。
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