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「ラ・ボエーム」

メトロポリタンオペラ2011「ラ・ボエーム」 2011年6月

指揮がMETの顔レヴァインの体調不良でファビオ・ルイジに、さらにミミ役の女王ネトレプコが土壇場で出演をキャンセルし、バルバラ・フリットリにシフトした、波乱の公演です。NHKホールで1階中央前寄り、S席64000円。

会場に入ると、なんと入り口で公演プログラムを「謹呈」していました。あまりにキャスト変更が多いので、これはなるほどと言える措置でしょう。また、開幕前にはゲルブ総裁が舞台上で挨拶。でも、会場の雰囲気はけっこう温かかった気がします。代役とはいえ、高水準のキャスティングだからでしょうか。

そのミミのフリットリ、昨年のトリノ王立歌劇場の来日公演でも聴いた役ですが、やっぱり好きだな~。幕開け早々こそ、ほかの歌手も含めてオケとのバランスなどがやや不安な感じがしました。もしネトレプコなら、もっと一目惚れって感じが出たかな、とも思ったけれど、そこはフリットリ、徐々に調子を上げていき、雪ふりしきる3幕、哀しい結末を迎える4幕にいたる頃には、豊かな声量、きめ細かい情感で泣かせてくれました。あざといほどのプッチーニ節とあいまって、これぞイタリア心!というべきでしょうか。
恋人ロドルフォのピョートル・ベチャワは、ちょっと線が細い気がしたけれど、いかにも2枚目。役に合っていたのでは。ライブビューイングで観て、個人的に期待していたマルチェッロ役のマリウシュ・グヴィエチェンは思ったより小柄で控えめながら、安定してましたね。一見ごついアメリカ娘のスザンナ・フィリップスは、伸び伸びしたムゼッタ役で拍手をもらってました。今後に期待。

フランコ・ゼッフィレッリの演出・美術は正統派。1幕カルチェラタンの屋根裏部屋は、書き割りといえば書き割りなんだけど絵画のような質感があり、続けて2幕カフェ・モミュスのシーンの幕が開き、繁華街を行き交う大勢の群衆が一気に現れると、聴衆から思わず拍手が起こりました。途中で前面の屋台がはけて、カフェが現れる展開も綺麗。馬とTOKYO・FM少年合唱団以外は、みんなNYから来ているんですよねぇ。この物量は凄い。

ある意味シンプルなボーイ・ミーツ・ガールの物語。そんな定番の舞台全体を、休憩2回を含めてトータル約3時間、オケの優しく甘い旋律が包み込んで、しっかり酔わせてくれました。

余談ながら、2F中央の財界人らだけでなく、1Fにはパーペ、ホロストフスキーの姿が。幕間に自席に歩いていくだけで、拍手が起きちゃう人気ぶりです。歌手が出演する以外の演目を客席で観るというのは、MET流儀なんですかねえ。

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