« METライブビューイング「オリー伯爵」 | トップページ | 鎌塚氏、放り投げる »

文楽「源平布引滝」「傾城恋飛脚」

第175回文楽公演第1部 2011年5月

国立劇場。正面に親子襲名のまねきが並び、年配のご贔屓筋が多い感じ。ロビーはちょっと暗め、和生さんがお姫様人形とともに震災義捐金を募っていました。客席には女優さんの姿も。

演目はまず「源平布引滝」。2008年12月に観たことがある演目です。お祝いにしては血なまぐさい気がしたのは、私だけかな。今回の上演は「矢橋の段」から。大夫、三味線が御簾内にいるスタイルで、源氏の白旗を預かった小まん(勘壽さん)が、豪快に追っ手のツメ人形を投げ飛ばし、琵琶湖に飛び込む。
続いてテンポ良く「竹生島遊覧の段」。人間国宝・清治さんの三味線で、大夫5人の掛け合い。広々した琵琶湖上で、実盛(安定感の玉女さん)が小まんの腕を落とす。

10分の休憩後、襲名披露の口上がありました。人間国宝・竹本綱大夫改め源大夫さん、鶴澤清二郎改め藤蔵さんのお二人を、キング住大夫さんが紹介。三味線陣から人間国宝・寛治さんが温かく、また清治さんがユーモアを交えてお祝いを述べた。住さん、ちょっと言いよどんだり間違えたりしたけど、そのへんも愛嬌あり。

25分の休憩後、「糸つむぎの段」はまた御簾内スタイルで少し滑稽に。
「瀬尾十郎詮議の段」、通称「かいな」でいよいよ住大夫さん、錦糸さんコンビが登場。瀬尾十郎(待ってました勘十郎さん)に身重の葵御膳を詮議すると詰め寄られ、腕を産んだと言いつくろう。何度見ても荒唐無稽なんだけど、住さん節で持っていかれちゃいますね。瀬尾十郎の不敵な大笑いをたっぷり聞かせ、拍手。
次が襲名披露「実盛物語の段」。源大夫さんは体調が十分でないとのことで、前半だけの語りですが、さすがにきめ細やか。後半のピンチヒッターは英大夫さんです。途中、藤蔵さんは2度も糸送り。唸りも多かったし、聞き手としてはどうも落ち着かなかったけど、やっぱり張り切ってたのかな~
お話のほうは、実盛が琵琶湖の経緯を切々と語ったあと、瀬尾のモドリ、壮絶な最期…とめまぐるしい。勘十郎さん、大きな人形で迫力ある動きに拍手! ロビーで優しかった和生さんの九郎助はあくまで渋く、また葵御膳の清十郎さんは端正にじっとしているようで、細かく演技してましたね。幼い太郎吉(今回も簑紫郎さんでした)が綿繰馬にまたがり、強引に明るい雰囲気で幕となりました。

10分の休憩後、二つ目の演目「傾城恋飛脚」の「新口村の段」。千歳大夫さん、津駒大夫さん、ラストは寛治さんの滑らかな三味線が泣かせます。
「冥途の飛脚」の筋書きで、遊女・梅川(紋壽さん)のクドキ、目隠しした老親・孫右衛門(玉也さん)と忠兵衛(清十郎さん)の親子の対面が悲しい。幕切れ、背景が横に動いて背後に一面の雪景色が開け、二人を見送る孫右衛門の背中が、哀愁たっぷり。この演出、説得力があるなあ。

まだ初日から間がないせいか、全体にちょっと乗り切れない気も。とはいえたっぷり4時間、堪能しました。ちなみに9月は国立劇場45周年で、豪華ラインナップと予告されているそうです。節電で朝は早めだそうですが。さてさて~

« METライブビューイング「オリー伯爵」 | トップページ | 鎌塚氏、放り投げる »

文楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 文楽「源平布引滝」「傾城恋飛脚」:

« METライブビューイング「オリー伯爵」 | トップページ | 鎌塚氏、放り投げる »