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鎌塚氏、放り投げる

M&O playsプロデュース「鎌塚氏、放り投げる」 2011年5月

作・演出倉持裕。本多劇場の中央、前の方の席で6000円。若い観客が多い。

妙なタイトルなので、正直ちょっと警戒していたのだけれど、「ネジと紙幣」がよかった倉持裕、ともさかりえの組み合わせなので、期待して足を運んだ。結論から言うと、ハラハラドキドキ、気持ちよく笑えて、ほろりとする、よくできたお芝居でした。

「日の名残り」を思わせる、融通の利かない執事の鎌塚アカシが主人公。三宅弘城が、親から受け継いだ職業にプライドをもって行動すればするほど、厄介に巻き込まれちゃう愉快な人物を、達者に演じる。対する同僚・上見ケシキのともさかりえが期待通り。リズムが良くて、たおやかで、存在自体が綺麗なんだなあ。
上司にあたる華族・羽島夫妻の大河内浩と佐藤直子、屋敷に逗留している成り上がりの堂田夫妻を演じる片桐仁、広岡由里子が巧みなのはもちろん、あまり馴染みがなかったもう一人の執事役、玉置孝匡もいい味。

華族の屋敷という設定は現実離れしたもの。しかし、使用人が結婚したらご祝儀にいくら出すか、という論争があったり、俗物にしか見えない堂田が案外働き者だったりして、細部がリアルだ。羽島家の息子の存在が、伏線として効いている。そしてラストシーンの鮮やかさ。妙なタイトルにも納得です。

めまぐるしく登場人物が出入りするが、羽島家のいくつかの部屋と建物の外を、回り舞台で表現。仕掛けが精緻で感心する。人物の名前がそれぞれちょっと変わっているのだけは、意味があるのか、特にないのか、わからなかったけど。

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