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METライブビューイング「ランメルモールのルチア」

METライブビューイング2010-2011第8作「ランメルモールのルチア」 2011年4月

3月19日に上演したドニゼッティ「ランメルモールのルチア」イタリア語版。新宿ピカデリーのプラチナシートを試してみました。2階中央のゆったりした席で快適。

パトリック・サマーズ指揮。再演となるメアリー・ジマーマン演出は、色を抑えたヴィクトリア調の衣装にスコットランドの荒野、破滅の伏線となる幽霊の登場、狂気を象徴する大きな月、傘をさした葬列など、ゴシックホラーっぽい仕掛けが満載です。登場人物の思いがぶつかり合う中盤の見事な六重唱で、記念撮影をする演出も意表をついてる。
2回の休憩を挟み、1幕と2幕が約40分、3幕が約50分。内容はシンプルな「ロミオとジュリエット」なんだけど、曲調に明るい印象があり、その美しさがかえって悲劇を引き立てる感じ。

なんといっても圧巻は、当たり役ルチアのナタリー・デセイでしょう。ちょっとかすれる場面もあったけど、冒頭からコロラトゥーラの連続で、小柄な体のどこからあれほどの声が出るのか。見どころ15分にわたる狂乱の場は、カデンツァ(無伴奏)など緊迫感にあふれ、最後はなんと階段で抱きかかえられた姿勢のまま大拍手を浴びてました。幕間のインタビューで、演技派といわれるけれど、演技と歌とのバランスを意識している、とコメント。喉の不調から再起しての、この自信。貫禄だなあ。
対する恋人エドガルドのジョセフ・カレーヤは、デセイの手のひらの上といった風情ながら、張りのある甘いテノールで、終幕のアリアをたっぷり聴かせました。カーテン・コールで感極まった感じが好印象。
兄エンリーコはルードヴィック・テジエ。響きのある低音、容貌も魔法使いみたいで威風堂々の敵役っぷりです。決して根っからの悪人ではなく、親の代からの呪縛、政治的に追いつめられた人間的弱さがよく伝わってきた。

おまけの映像はライブ・ビューイングならではのお楽しみ。冒頭に登場する犬とその飼い主夫妻とか、大道具、衣装係などスタッフの職人ぶりが面白かった。いやー、堪能しました。

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