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大人は、かく戦えり

シス・カンパニー公演「大人は、かく戦えり」 2011年1月

初めての新国立劇場小劇場。黒い壁にシンプルな椅子が400程度、本当に小劇場という雰囲気ですね。観客も大人っぽい。中ほどあたりの左端で7000円。

ヤスミナ・レザ作、徐賀世子訳、マギー演出。フランス人女性劇作家によるトニー賞受賞のちょっと意地悪な喜劇を、手練れの演技バトルで楽しんだ。
11歳の男の子同士が喧嘩した後始末で、怪我した子の父母の自宅を、怪我させた子の父母が訪ねる。互いにインテリらしく、穏やかに話し合い始めるが、だんだん価値観の違いが露呈、それぞれ夫、妻に対する日頃の鬱憤まで飛び出して、制御不能の本音バトルに発展しちゃう。赤が鮮やかな洒落た客間のワンセット、登場人物は夫婦2組の4人だけで、1時間半弱ノンストップの会話劇だ。セリフに隙間がなく、4人の関係も細かく変化して目が離せない。けっこうアクションもあるし。

俳優4人が、当たり前ながらとにかく達者。なんといっても大竹しのぶ。チャーミングさが光ります。教育熱心で家事も得意という、どうも偽善っぽさが漂う女性で、ヒステリックに叫んだりもするのに、全く嫌らしくない。リズム感が抜群。その夫役、段田安則も期待通りです。実直な中小企業経営者って印象だけど、後半に至って本音がぼろぼろ。そのギャップにアクセントがある。
対する二人はやや抑えめかな。やり手弁護士役の高橋克実は尊大。本筋じゃないけど、「携帯電話に人生のすべてが入ってる」っていうセリフが、妙に切実でした。その妻、秋山菜津子は眼鏡に黒いスーツで、一貫して我慢してる役どころ。それぞれ、人物像が無理なくはまってましたね。

筋はシンプルなんだけど、4人の大人げなさ、コンプレックスを笑いながら、観ている方も他人事でないというか、胸の底がひやっとする感じの舞台でした~。

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