立川談志一門会「粗忽長屋」「疝気の虫」「子別れ」
立川談志一門会 2011年1月
何度目かの練馬文化ホール。右寄り中ほどの席で4000円。
ちょっと遅れてしまい、談修さんのあと、談笑さんのマクラのあたりから。「粗忽長屋」で、長屋の面々が妙に格好良くて、見直しちゃった。馬鹿馬鹿しいんだけど、ちょっとドラマ「ルーキーズ」みたいな雰囲気。元気で明るいだけじゃない。ついてきた連中の一人が、行き倒れは俺だ、と言い出してオチ。
続いて志らくさん。立川流四天王に関する、この人一流の皮肉な分析があって、「疝気の虫」。談笑さんが古典だったのを意識したのか、割とストレートな演目かな。テンポがよくて、虫の物言いがたまらなく滑稽で、さすがです。
仲入り後に談志さん。スペシャルトークと予告されていたけど、座布団に座ってマクラもそこそこに、なんと「子別れ」を弔いの場面から。やっぱり声はかなりかすれていて、細かいニュアンスは伝わりづらい。それだけに噺の骨格をまざまざと見る感じ。トントンと進んで「子別れの上」、と言ってから、休みなく「下」に突入。トントン過ぎて、肝心の「げんのうは父さん」というフリを飛ばしてしまい、オチに来て言い直してました。はは。
いったん下りた緞帳を、しばらくたってから再び上げて、高座にあぐらをかいて照れたようにひとしきり語る。舞の海の技とかを例に、拍手したくなる、ということについて。最後に六代目春風亭柳橋(柏枝)のエピソード、「江戸っ子の腕で打ったるかすがいは浪花の空に柏枝喝采」に触れてお開きとなりました。聞いていて切ないんだけど、時代を共有するような気分がますます。