立川談志一門会「金明竹」「時そば」「落語チャンチャカチャン」「へっつい幽霊」
立川談志一門会 2010年11月
読売ホール2階の中央かなり後ろの方。4500円。いつものように談志ファンが詰めかけている。
遅れてしまって平林さん「浮世根問・名古屋弁バージョン」と志遊さん「笑い茸」は残念ながら逃しました。席に滑り込んで、志らくさん。よみうりホールで近くある談志さんのビデオライブをちゃかしたり、政治家の失言にひっかけてラジオで「行け!柳田」を流した話をしてから、「金明竹」。前半、与太郎と骨董屋主人の珍妙な応対で普通に笑わせておいてから、聴かせ所、加賀屋の使いの「道具七品」の口上。なんと古典の上方者を大阪で働くアメリカ人に置き換え、妙ななまりをハイテンションで何度も繰り返し、ほとんど意味不明。会場も反応も良い。おかしくて、相変わらず高度でした。
仲入りで軽くパンを食べ、後半はまず談笑さん。亀戸の中学の同窓会のマクラがあって「時そば」。人気者二人して今日は前座、という意気込みか。うどんのすすり方になったり、ベテランの演じ方に触れたり、中野駅前の店を登場させたり。明るくていい。
トリはお待ちかね談志さん。予告ではスペシャルトークとあったが、舞台上は椅子ではなく、座布団のままで、一人で登場してちょこんと座った。顔色も良さそうで、客席の期待がぐんと高まるのがわかる。ちょっと前屈みで話し出すと、さすがに声がかれていて、かなり辛そう。「繁盛亭に行ってきた」「体調は良いが、あまり食べられない」とぶつぶつ言ってから小咄。
いつものジョーク集が続くのか、と思ったら、なんと「落語チャンチャカチャン」へ。古典の名セリフをつなげた演目で、シュールな味わい。聴いたばかりの「金明竹」とか、「長屋の花見」「たがや」「鼠穴」なんかも入れて、滑らかだ。「芝浜」の夫婦が互いに「百八つ」と繰り返すところで、満場静まりかえる。ちょっと異様な雰囲気。
ちょっと石原さんに触れて、「へっつい幽霊」に入る。遊び人が近所の道具屋から、幽霊が出るというへっついを引き取り、隠してあった金をせしめるが、博打ですってしまう。出てきた若旦那の幽霊が「決して足は出しません」と言ってから、「安心しろ、サゲは後で」とやってから、「半分ください」でサゲ。挨拶もなく、ちょっと謝るポーズで幕となりました。
正直、聞き取りにくいところもあったけれど、芸人の性根を見せてもらった感じ。途中軽い地震があったものの、舞台上も客席もものともしない集中ぶり。貴重な一夜でした~
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