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じゃじゃ馬馴らし

彩の国シェイクスピア・シリーズ第23弾「じゃじゃ馬馴らし」 2010年10月

蜷川幸雄演出、松岡和子翻訳。さいまた芸術劇場第ホールで、1階後ろ寄り左側のS席、9000円。観客は老若男女幅広い。ニナガワは必ず観る、という人もいるだろうし、多士済々の俳優のファンもいたのでしょう。開演前から2階のロビーで楽士が音楽を奏で、芝居小屋の雰囲気を盛り上げる。

いやあ、面白かったです! 「恋に落ちたシェイクスピア」で観た時代そのままに、すべての役を男性が演じる「オールメール・シリーズ」。だから、女性蔑視ともいえるストーリーが気にならない。しかも、酔っぱらいが騙されて観るという劇中劇の設定で、俳優さんがずうっと客席に座っている。いわば作り物感が強調される仕掛け。休憩を挟んで3時間弱、テンポよく猥雑な喜劇を、理屈抜きに楽しめました。

美術は背景のボッティチェリの絵をめくっていく以外、机や椅子だけ、とシンプル。その分、役者の存在感が前面に出てくる。筆頭は何といっても、強烈なキャタリーナ役の市川亀治郎。出てくるだけで大拍手の、あたりを睥睨する女王さまぶりだ。その期待を裏切らず、やりたい放題。1幕でいきなりプロレスラーのように、横転して勢いをつけ、妹ビアンカに殴りかかったのにはびっくり。これですっかり、舞台は亀治郎ペースです。さらに、荒事のニラミを披露して、もう反則技!

その亀治郎さんをたてつつも、一歩もひかないペトルーチオの筧利夫が見事でした。早足で歩き回りながら、速射砲のように長大なセリフをまくしたてるところは、ドラムソロばりで圧巻だ。汗はかいてたけど、最後まで機敏に動き、よく通る声も全く衰えない。外見は決してスマートではないのに、不思議な色気があるんですねえ。さすが舞台人という感じ。

この二人の丁々発止に比べると、ビアンカに恋するルーセンショーの山本裕典は、瑞々しいけどさすがに線が細かった。月川悠貴は貞淑なビアンカを怪しく演じ、召使いトラーニオの田島優成が、意外にハキハキして気持ちよかったですね。

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