ガラスの葉
ガラスの葉 2010年10月
イギリスのフィリップ・リドリー作、白井晃演出。世田谷パブリックシアターの1階ほぼ中央で、S席6300円。
兄スティーブンと妻デビーの家や弟バリーの部屋、母リズの家が、左右に動くセットで微妙に入れ替わる面白いセットだ。背景にごく控えめに、幸せだった頃の親子などのシルエットが映る。
ストーリーは生真面目で繊細。幼い頃の母と父の関係や、父の自殺とその後の出来事が、長く家族の心に影を落としている。劇の前半は画家志望の弟がアル中気味で、会社を経営する兄が弟の面倒をみているのだけれど、後半になると交通事故をきっかけに、今度は兄のほうが「少年の幻影が見える」と言いだして、不安定になっていく。
兄弟を苦しめる心の傷には、父の自殺の事情や、その後、幼い兄弟が何を経験したのかなどが関係しているらしい。でも、真相はずっと明確には語られない。いったい誰がどう嘘をついているのか。会話は常に空々しい。
休憩無しでほぼ2時間。兄の萩原聖人、弟の田中圭、妻の平岩紙、そしてもちろん母の銀粉蝶と、役者4人はみな期待通り達者で、雰囲気もある。けれど、なぜか切実さを感じとるのが難しかったのが残念。そういう戯曲なのかなあ。
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