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ひとり貝柱の会「幾代餅」「しじみ売」

ひとり貝柱の会 2010年9月

襲名前に何回かお邪魔したことがある、林家正蔵さんの非常に私的な落語会。ねぎし三平堂で。木戸銭1000円。

たまたまサイトで見つけてふらりと出かけたが、ほとんど告知していなかったらしく、なんとほんの十数人の贅沢な空間。師匠は以前よりスリムになって、落ち着いた雰囲気です。

木戸銭の箱を片づけさせ、常連さんと会話しながら、まずは近況報告。水戸へ出かけて地元ギャルに「ととのいました系」と呼ばれたこと、鈴本の口上が難しかったこと、など。

おもむろに一席目は、だいぶ昔にも聴いたことがある「幾代餅」をちょっと詰まりつつ。古今亭志ん五さんの訃報を聞いて選んだそうです。恋煩いの清蔵を、錦絵でみた幾代大夫に会わせようとする、江戸っ子の親方の親切さ。清蔵を若旦那に仕立てて、吉原に連れて行く医者の先生の、ちょっと怪しい感じもいい。幾代大夫の色気は今ひとつかな、と思ったけど、清蔵が正体を打ち明け、金を貯めて1年後にまた来る、と一生懸命に申し出るところは泣けた。

高座で着物を替え、そのまま2席目の「しじみ売り」へ。ようやく涼しくなってきたので、と。鼠小僧が出てこないバージョンです。親方はしじみ売りの子供に、草履泥棒に間違えてしまったことを詫び、しじみを買いあげて川へ逃がさせる。そして食事を与え、身の上話を聞く。低音でぼそぼそ語る親方が、意外に格好良い。横からちゃちゃを入れる小僧を叱るときの、袂を叩く仕草もリズミカル。やっぱり、こういう善人が登場する人情話が合っている人なのかな。

淡々と語って約1時間。これから、こういう小規模の会もやっていくそうで、楽しみです。

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