イン・ザ・ハイツ
ブロードウェイミュージカル「イン・ザ・ハイツ」 2010年8月
東京国際フォーラム・ホールC。左側のかなり前の方で、S席1万2000円。客層はちょっと若め。
マンハッタン北部にあるヒスパニック移民の街、ワシントン・ハイツを舞台にした3世代群像劇。作詞作曲リン-マニュエル・ミランダ、脚本キアーラ・アレグリア・ウデス、演出トーマス・カイル。
歌を聴かせるミュージカルで、予想よりずっと良かった。もとは学内公演のための作品だったせいか、セットは主人公の若者、ウスナビが経営する食糧雑貨店やとタクシー会社、美容室の店舗が並ぶ街角だけ。アメリカンドリ-ムの挫折、許されない恋というストーリーも、そうひねったものではない。
けれど、ヒップホップやサルサ、サンバを散りばめた音楽、ジョセフ・モラレス、アリエル・ジェイコブスらの歌唱が、独特の熱気をはらんで説得力がある。ストリート風のポイントを絞ったダンスも、派手ではないけど効果的。
このままずうっと行くのかと思っていたら、1幕ラストでニューヨーク大停電の夜空に花火があがって、突然ぐっときた。2幕はもう一気です。ドミニカへの帰郷を夢見ていたおばあちゃんの死、昔なじみは櫛の歯が抜けるように店をたたんでいく。生きていくのはなかなか楽じゃないが、家族とか街に対する誇りが、一抹の希望として胸に残る。巧いなあ。
暑すぎる夏、という設定も、なんか今年の日本にあってましたね。2008年のトニー賞最優秀作品賞受賞。
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