裏切りの街
パルコ・プロデュース公演「裏切りの街」 2010年5月
パルコ劇場。舞台至近のY列ほぼ中央で7350円。作・演出は三浦大輔。観客は20代が中心だけど、中年男性も散見されけっこう幅広い。
予備知識無しで、正直あまり期待していなかったんだけど、面白かった。ストーリーは言ってしまえば、無気力なフリーター25歳と30代専業主婦との、行きずりでだらだらした関係を描くだけ。15分の休憩を挟んでほぼ3時間、びっくりするようなことはほとんど起こらない。回り舞台で転換する装置も2人の家、駅前、ホテルくらいでシンプルかつ地味。
しかし主役の秋山菜津子、田中圭にとても色気があって、魅力的だった。秋山のいつも眉をひそめていてうまく笑えない感じとか、田中の卑屈に猫背、うつむき加減で力無く手を差し出すしぐさとか、演出がきめ細かい。安藤サクラ(奥田瑛二の娘さん)、松尾スズキらも上手。過激なシーンなんか、下手だったらとても観ていられないだろうなあ。素っ気ないカーテンコールまで、観客がいないかのような自然さで、でも、妙な緊迫感がある。
周囲も含めて、ダメでない人はひとりとして登場しない。ケレンの対極で普遍的なダメ人間を描いているからこそ、ラストシーンのやりとりにはっとする現代的要素があって巧い。作家、俳優陣とも要注目。音楽は銀杏BOYZ。
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