三遊亭王楽独演会「つる」「粗忽長屋」「片棒」「子別れ」
三遊亭王楽 真打ち披露興行大独演会その2 2010年4月
よみうりホール、1階で3500円。ホールで駄菓子などを売っていて、これが王楽さん家族総出だそうで、なごやかな雰囲気。独演会と銘打っているけれど、ゲストが豪華でいろいろなタイプの噺を楽しめた。
まずお父さんの好楽さん。さすがに余裕で、ばかばかしい「つる」を軽妙に。林家たい平さんは元気いっぱいだ。「粗忽長屋」も明るくはきはきしていて、気持ちよく笑える。柳亭市馬さんの「片棒」は、ケチな商人が息子三人の了見を見極めるため、自分の葬儀の算段をきくナンセンス話。お約束の神田囃子なんぞの鳴り物を、見事に口で演じて楽しい。
中入り後に口上。たい平さんが司会を務め、談春さんがシニカルにお祝いを述べ、市馬さんが朗々と相撲甚句を聞かせて盛りだくさんだ。
そしていよいよお目当ての談春さんが登場し、「子別れ」の上。続いて王楽さんが、下の「子はかすがい」につなげて締める趣向だ。あとで王楽さんが、談春さんの熊五郎は大工というよりヤクザだよ、と言っていたけれど、前半のダメ男の造形は、濃口の感じもするけれど、やっぱり秀逸ではないでしょうか。後半、改心してからの王楽さんのパートは、語り口、筋運びとも危なげなくあっさりした印象でした。このへんの対象が面白かったです。
« 大歌舞伎「寺子屋」「三人吉三巴白浪」「藤娘」「実録先代萩」「助六由縁江戸桜」 | トップページ | 文楽「新版歌祭文」「団子売」 »
「落語」カテゴリの記事
- 落語「手紙無筆」「夏の医者」「野ざらし」「夫婦に乾杯」「五目講釈」(2023.07.09)
- 談春「粗忽長屋」「棒鱈」「お若伊之助」(2023.05.04)
- 志の輔「まさか」「狂言長屋」「百年目」(2023.01.15)
- 2022喝采づくし(2022.12.31)
- 落語「転失気」「浜野矩随」「二階ぞめき」「三枚起請」「初天神」「鰻屋」「稲葉さんの大冒険」「普段の袴」「星野屋」(2022.08.07)
« 大歌舞伎「寺子屋」「三人吉三巴白浪」「藤娘」「実録先代萩」「助六由縁江戸桜」 | トップページ | 文楽「新版歌祭文」「団子売」 »
コメント