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御名残三月大歌舞伎「筆法伝授」「弁天娘女男白浪」「道明寺」「石橋」

歌舞伎座さよなら公演 2010年3月

歌舞伎座もいよいよあと2か月。思い切って第2部・第3部の通しに挑戦。休憩を入れて7時間近い長丁場ですが、「家の芸」の連続で、さすがに見応えがある。1F中央付近で1万5000円。

2部、3部の「菅原伝授手習鑑」初段の切と2段目の切で、当代仁左右衛門が丞相を演じる。有名な「寺子屋」と比べあまり上演されない幕らしいが、知識がない私にとっては「寺子屋」の悲劇の背景となる道真の高潔さ、偉人ぶりがよくわかって面白かった。特に2段目「道明寺」は13代目片岡仁左右衛門17回忌追善と銘打たれ、先代が「神品」と言われた役どころというから、気合いが入ります。

仁左右衛門さんはさすが、上品でしたねえ。2部の「筆法伝授」で舞台が回り、学問所でおもむろに御簾があがって登場したときの威厳といったら。先月の「じいさんばあさん」と同じ役者とは思えません。白木作りに梅をあしらった襖も美しい。動きが少ない主役に対し、丞相を尊敬して一子・菅秀才を救い出す梅玉さんの武部源蔵、歌昇さんの梅王丸が若々しく一途。憎まれ役の左中弁は、東蔵さんが大げさなくらいコミカルに演じていて、めりはりがありました。
3部の「道明寺」では、仁左右衛門さんが動く木像の奇跡を端正に、苦悩を込めて演じます。もう神の領域ですから、誰でもできるってわけじゃないなあと納得。盟友・玉三郎さんは「三婆」の一つという初役・覚寿で、女傑ぶりを発揮してました。道真暗殺計画のため娘を手にかけた宿禰太郎に斬りつけ、階段を上りながら、使者に応じるトンデモシーンにはのけぞりましたぁ。

このほか2部は「弁天娘女男白浪」で、お待ちかね菊五郎さんが弁天小僧です。ぽとり、と簪が落ちてから怒濤の啖呵が退廃的で理屈抜きに気持ちいい。力丸が吉右衛門、日本駄右衛門が幸四郎と配役も豪華。浜松屋のせがれでちらりと出ていた菊之助さんの声の良さが印象的でしたね。

3部のラスト「石橋」は松羽目ものの舞踏劇だけど、新曲・新演出ということで変化に富んだ構成。まず80歳の富十郎が獅子の精、70歳で授かった息子・鷹之資が文殊菩薩という配役が文句なく微笑ましい。途中では錦之助、松緑の達者な狂言あり、長唄三味線のソロあり。終盤は派手なとんぼも連発され、とっても楽しめました!

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