「東京月光魔曲」
シアターコクーン・オンレパートリー 東京月光魔曲 09年12月
09年の観劇納めはBunkamura20周年記念企画。作・演出ケラリーノ・サンドロヴィッチ。S席2階中央で9500円。
昭和初期の東京を舞台に、江戸川乱歩とか横溝正史とかの探偵小説のような、妖しく、いかがわしい人間模様を描く。回り舞台での場面転換は、時にめまぐるしくて、時代と物語の混沌を象徴するよう。終盤で背景にかかる、巨大な月が印象的。
俳優陣は粒ぞろいだったんじゃないでしょうか。浮遊感がある瑛太、美しく罪深い松雪泰子、冴えない探偵の橋本さとし、きりっとした伊藤蘭さん、ナンセンスな小ネタをしっかり笑わせてくれるテンポの良い大倉孝二と犬山イヌコさん。それから、最初は純朴なのにどんどんやさぐれていくユースケ・サンタマリアは意外な説得力。歌もあったし。
ただ、ベテランも含めて全員が達者なぶん、気になる登場人物が多すぎるというか、どこに焦点を絞って見たらいいか、迷っちゃいましたね。あれ、それで結局、犯人は誰だったんだっけ。要するに、みんな松雪さんに夢中だったってこと? 誰か解説してよ…
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