マレーヒルの幻影
マレーヒルの幻影 09年12月
作・演出岩松了。本多劇場でG列中央。
舞台は経済崩壊の予感が日々、色濃くなる1929年ニューヨーク。「グレート・ギャツビー」を下敷きにした、日本人実業家ソトオカを巡る愛憎劇です。
現代につながる社会背景を強く意識させながら、緊迫したやりとりで人生の「どうにもならなさ」を描く。メロドラマという枠組みを使っているのだけれど、シビアで普遍的なものを感じる。英語の台詞が挟まるせいで、いつにもまして難しかったけど… でも、あとから戯曲本で確認しちゃったから大丈夫。
シンプルな舞台と、レトロな衣装がお洒落だ。クロンカイトやカポーティも住んだというニューヨークの高級住宅街マレーヒルの邸宅や、人生の始まりと終わりを象徴するような墓地のシーンを、舞台横幅いっぱいの鉄の扉で表していた。パンフの表紙もモノトーンの市松模様で、どことなく雰囲気を統一。こういう全体に漂う上品な雰囲気って、岩松さんの舞台独特のものだと思う。
俳優陣ではまず、ヒロインの麻生久美子がよかった~。個人的には意外だったのだけど、声が低くて説得力があるんだよね。市川実和子さんも姿が良いし、はすっぱな役なのに下品でない。そして松重豊さん。1幕ラストのどんでん返しを担う重要な役どころで、嫌らしくて切なくて、台詞を話していなくてもちゃんと存在感がある。こういうキャスティングの妙も、作家の力のうちなのでしょう。
なんというか、いつものように内容の濃い舞台でした。終演後、楽屋に光石研さんがいらしてました…
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