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歌舞伎「外郎売」「傾城反魂香」「大津絵道成寺」

国立劇場11月歌舞伎公演  09年11月

国立劇場大劇場。1階なんと3列目の中央という、贅沢な席です。1万2000円。

東西の大名跡、団十郎と藤十郎の顔合わせ。ロビーにはういろうの売店もあって賑やかだ。

まず歌舞伎十八番で家の芸である「外郎売」。背景に大きな富士山、前方には屋根があって、柱に役者の名前が掛けてあり、芝居気分たっぷり。壇上で坂東彌十郎さんの工藤が、大人物らしさをかもす。周囲に鎌倉大名と高級遊女たちがずらりと控え、めいっぱい派手な設定を整えたところで、花道から団十郎さん登場です。まず舞台中央に手をついて今年、白血病を克服、舞台復帰を果たした感謝の挨拶をしてからお芝居に戻る。楽しいなあ。有名な長い口上「言い立て」に大拍手。思ったほど早口ではなく、むしろゆったり大らかだ。伝統芸らしい朗らかな雰囲気は、この人独特なのかもしれません。

休憩後、弁舌爽やかだった団十郎さんが、近松の「傾城反魂香」土佐将監閑居の場で正反対の「吃又」を演じるのが、面白い。昨年末、南座の顔見世で観た演目。あのときの中村翫雀の又平に比べると、大げさで明るい雰囲気だ。女房おとくは前回同様、藤十郎さん。一歩引いた細かい仕草や目つきに、優しさを感じさせる。亀鶴の土佐修理之助が端正。絵が抜ける手水鉢は同じセットにみえ、前より近かったけれど、今回も仕掛けはよくわからなかった。

短い休憩を挟み、最後は「大津絵道成寺」。今度は又平が糊口を凌いでいた大津絵にちなむ演目、という趣向だ。工夫してますね。
旅の土産物で、お守りの意味もあった大津絵の中の人物や動物が抜け出て、次々舞台に登場する華やかな舞踏劇。藤十郎さんがほとんど出ずっぱりの早変わりで、藤娘など5役を務める。とても77歳とは思えません。コミカルな外方の市蔵さんが「文化勲章の」、と紹介して、また大拍手。衣装の色遣いも素晴らしいなあ。
音楽は左手に常磐津連中、舞台後方に長唄連中が控えていて重層的。常磐津は語り物で中竿で、長唄はBGMで細竿で、とかいう違いはさっぱりわかりませんが。とにかく1日、有り難いものを見せて頂きました~

外郎売 春の夜の夢

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