志の輔らくご 「はんどたおる」「ねずみ」「政談月の鏡」
志の輔らくご in ACT 09年10月
赤坂ACTシアター。1F右のほうでS席6000円。18時半に息せき切って駆け付けて、中入りを挟み21時過ぎまで。1300席ほどが満員で、客層も幅広く、相変わらずの人気。ロビーも芸能関係者からの花でいっぱいです。
ゴルファー石川遼くんの大人っぽさを誉めつつ、ちょうど遅れて入ってくるお客さんをくすぐる上手なマクラがあって、まず新作「はんどたおる」。志の輔さんらしい、大真面目同士のすれ違いもの。シュークリームをたくさん買って、景品のハンドタオルを貰うのが賢いのかどうか、夫婦が延々と口論を繰り広げる。テンポ良く、話の噛み合わなさ加減を畳みかけていくところは、以前きいた「みどりの窓口」に通じるけれど、より日常的で罪のない感じが軽妙。やっぱり声に安定感があります。
三味線をはさんで、古典「ねずみ」。こちらは以前きいた「抜け雀」に近い内容。縁あって仙台の宿場の貧乏宿に一泊した左甚五郎が、木彫りの鼠を残していく伝説。浪曲が元になっているとあって、子どもが健気で泣かせるし、最後には陰険な奴を見返すという爽快さもある。あの渋い声で、子どもを表現するところが巧くて、肩の力が抜けている。
中入り後は「政談月の鏡」。これは07年9月に国立大劇場できいた演目でした。志の輔さん一流の研究熱心さを映して、複雑なストーリーの古典を「24」風の映像で料理するという実験作。ただ、導入から前回とほぼ同じ展開だった気がして、どうも乗りにくかった。2度みるのは、正直きついかな~。全体に、志の輔さんの真面目さを感じた一夜でした。
『志の輔らくご in ACT』/立川志の輔 読書日記と着物あれこれ
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