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文楽「伊賀越道中双六」「艶容女舞衣」

文楽公演 第168回 第2部 09年9月

国立劇場小劇場、左後方の1等席5700円。3時開演。相変わらず客層は幅広い。

大夫ふたり、人形ふたり。なぜか人間国宝そろい踏みの豪華配役となった2部を鑑賞した。
イヤホンガイド高木さんの解説を伺った後、まず「伊賀越道中双六」沼津の段。前半が渋く竹本綱大夫。珍しく女性客から声がかかる。鶴澤清二郎、清馗(せいき)の三味線も賑やかに、語りだしの凝った節回しが面白い。人形は桐竹勘十郎さんが遣う父・平作の、足取りがおぼつかない感じがコミカルで、背景の木を動かして東海道を歩く様子を表すのも、いかにも芝居って感じ。
後半は堂々、竹本住大夫登場。さすがの声量です。ますますお元気だなあ。舞台が暗くなって、いよいよクライマックス千本松原の場面に突入すると、野澤錦糸さんの三味線に豊澤龍爾(りょうじ)さんの胡弓が加わってなんとも哀切。平作の今際のきわの、言葉にならない「南無阿弥陀仏」が悲しい。吉田蓑助さんが遣うりりしい十兵衛が、忠と孝の狭間で苦悩する様子もひしひしと伝わってきて、胸に響きましたね。

15分の休憩後、「艶容(はですがた)女舞衣」酒屋の段。前半は豊竹英大夫。後半で豊竹嶋大夫さんが大熱演です。三味線は鶴澤清友さん。
有名なお園のクドキは、夫・半七は妻を裏切り、人を殺めて逃げているひどい奴なのに、その身をひたすら案じるという、あり得ない設定。しかし、人形の吉田文雀さんがさすがの存在感で、小道具の行灯を効果的に使い、「うしろぶり」を美しくみせる。動きは全体に、想像したより抑えめで丁寧な印象でしょうか。
ラストで吉田玉輝さんの舅・半兵衛、玉女さんの親・宗岸らが、半七の書き置きを回し読みして「私の小さく成りしと」「未来は夫婦」といったフレーズを繰り返すところは、音楽的で面白かった。意外にこのお話は、群像劇でしたね。
いやー、とにかく贅沢なものを見せてもらいました。

第二部も見たんです。 百舌鳥廼舎(もずのや)

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