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歌舞伎 「浮世柄比翼稲妻」「勧進帳」「松竹梅湯島掛額」

九月大歌舞伎 09年9月

歌舞伎座のさよなら公演の第二部。平日なのでお年寄りが目立つものの、なかなかの入りだ。1等席で1F少し右前方、1万6000円。

今回は様々な伝統の「型」「様式美」が揃い、硬軟のバリエーションもある面白い演目が並んでました。
まず鶴屋南北作「浮世柄比翼稲妻(うきよづかひよくのいなづま)」。1幕目の「鞘當」は「恋のさや当て」の語源といわれ、たわいない喧嘩のシーンだけど、吉原に夜桜が満開で、華やか。伴左衛門を演じる松緑と、ライバル名古屋山三の染五郎がそれぞれお洒落をして登場するシーン「丹前六方」や、七五調で掛け合う「渡り台詞」を見せる。
装置が変わって、2幕目「鈴ヶ森」は中央に巨大な供養塔が立つ暗い場面。しかし梅玉演じる白井権八が、雲助を次々切り捨てるくだりは文楽のような「特殊効果」があって、これがちゃちなだけに笑いを誘ってました。侠客、幡随院長兵衛が吉右衛門で、さすがの安定感。

休憩後は松羽目の元祖、お待ちかね「勧進帳」だ。7世幸四郎没後60年ということで幸四郎の弁慶、染五郎の義経、吉右衛門の富樫と、ゆかりの役者がろい踏み。客席からの掛け声も盛り上がりまくりです。
リズミカルな勧進帳の読み上げと山伏問答、弁慶が義経を打つ機転、それを察した富樫の人物の大きさ。見どころの連続ですね。後半は弁慶を許す義経の悲運ぶりが泣かせたあと、一転してコミカルな弁慶の延年の舞、見送る富樫、そしてクライマックスの飛び六方。幸四郎さんは決して大迫力の豪傑ではなく、必死で愛らしい弁慶という感じがしました。
これからは染五郎の出番ですね。線が細いだけに果たしてどう演じるのか、楽しみで、ちょっと怖いかも。

最後は「松竹梅湯島掛額(ゆしまのかけがく)」。勧進帳からうって変わり、1幕「吉祥院お土砂の場」は思いきり大衆的なチャリ場でびっくり。松竹新喜劇かと思うほど。ストーリーは天女に似た美人の八百屋お七が、左甚五郎作の欄間の彫り物に成りすますとか、祈祷した灰をかけると皆、体がグニャグニャになるとか、何とも馬鹿馬鹿しい。これを台詞に現代風を混ぜ、ラストでは新派俳優が乱入したり、幕を引く黒衣までグニャグニャになったり、ちょっと悪のり気味に仕立てている。紅長役の吉右衛門さんは、先ほどの富樫と同じ人とは思えないほど喜劇に徹していて、さすが。お七の福助、吉三郎の錦之助さんが可憐です。
2幕「四ツ木戸火の見櫓の場」では一転して静かになって、雪が降りしきる場面。ほとんど福助さんの一人舞台で、無表情のままブレイクダンスのように「人形ぶり」を熱演。

今回は、歌舞伎が能や文楽と密接に関係していることがよくわかったし、初めてみる趣向も多く、本当に盛りだくさんでした!

歌舞伎座『九月大歌舞伎』夜の部 芳月日記

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