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桜姫

清玄阿闍梨改始於南米版「桜姫」 09年6月

シアターコクーン。鶴屋南北の「桜姫東文章」を、舞台を南米に置き換えた現代劇。長塚圭史脚本、串田和美演出。2階席で1万2000円。客層はかなり幅広い。

セットはほとんど無くてシンプルだけれど、舞台を取り囲むように動く客席や、いろいろな形の複数のセリ、空中を横切る小さい列車、ごみを吹き飛ばす風など、随所に散りばめられた立体的な仕掛けが面白い。アクシデントだと思うけど、墓守など狂言回し役の笹野高史が冒頭でちょっと躓いたり、セリフに小ネタが散りばめられていたり、けっこうリラックスした感じ。

実は本家の歌舞伎版を観たことがないのだけれど、パンフを読むと若い桜姫の許されざる恋がかなりアナーキー。桜姫改めマリア役は大竹しのぶなので、どれほどどろどろして迫力があるか、と想像していた。しかしマリアは意外と淡々とした印象。むしろ白井晃の聖職者セルゲイと、中村勘三郎のワルの革命家ゴンザレスという二人の対照的な男の、善悪、清濁が対立しつつ、だんだん判別できなくなっていく不条理さが前面に出ていた。特に亡くなった心中相手とマリアを重ねて見てしまうセルゲイの二面性が複雑。

もっとも、そういう業の深さという点では、悪党ココージオの古田新太、イヴァの秋山菜津子の方が伸び伸び表現していたかな。ルカの井之上隆志も重みがあって良かった。

桜姫〜清玄阿闍梨改始於南米版 in シアターコクーン・最も輝いた者が主演だ 風知草

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